露店を出し始めた2年前は、露店前に必ず実現論を読んでいた。今でも久しぶりに露店に参加するときには読んでいる。答えとなる認識を復習するという意味ももちろんあるが、日常の目先課題に追われると見失いがちになる「みんな意識(=社会)」を再確認する意味合いが強い。政治、経済、教育、環境、福祉、芸能など、マスコミが取り上げる情報は断片的で平板的。バラバラで統合されない情報に埋もれると自分が今いる社会でさえ像が結ばない。そうなると社会が固定された変革不可能なものに思え、不可能視や否定視で社会を塗りつぶしてしまいがちになる。そこで実現論を読めば、これまで実現されてきた社会構造とこれから実現していく社会構造が明確になり、社会の当事者として露店に立てるのだ。
>上記の様に個別の問題から出発して様々な原因分析を重ねてきましたが、それらが全体としてかろうじて繋がって(ある程度構造化されて)書かれたのが、実現論(’98年版)です。(236)
現実の真っ只中から作られた実現論は、現実の実践の場として露店やるいネット、なんでや劇場を携え、これからもさらに現実を深く追求し進化していく。「論」と付きながら実現論は、現実そのものだと言い切れるのだ。
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