共認心理学:現代の精神病理
94359 「当たり前」が通用する時代は過ぎた
 
矢野悟 ( 24 高知 会社員 ) 05/07/12 PM02 【印刷用へ
>そして’00年頃、私権統合の崩壊が決定的となり、閉塞感が強まって、遂に私権観念が瓦解した。(24981 四方さん)

 私権統合の崩壊によって、あらゆる規範が崩れつつある。そのことは、これまでなんとなく頭で理解したつもりでいたが、

>決められた時間に遅れたり、与えられた課題のすっぽかしを平気で繰り返している若者がいた。(92773 足立さん)

>朝起きられない、同僚に電話で起こしてもらっても、また寝てしまい、会社に遅刻する。会社に出てくれば仕事は普通にできるし、特に仕事場での人間関係に悩んでいる訳でもない。(92299 足立さん)

最近のこういった投稿や自身の経験からも、痛感するようになってきた。それが私権的な規範だからできないのか、規範として共認できていないからできないのか。現在はその両方が混在していると思うので、その線引きは非常に難しい。

 私権社会では、どういった形で対処してきたのか。すぐに思いつくのは、いわゆる「アメとムチ」の論理。上からの圧力、懲罰を与える、あるいは懐柔するなど。その両面を使い分けながら、仕事に向かわせてきた。しかし現在は私権に無反応である以上、そういった私権的圧力は全く通用しない。かといって、「自分で考えろ」は答えが出せないがゆえの課題捨象だし、「無理せず自分のペースでやりなさい」も、ごまかしに過ぎないと思う。

 本当にどうすればいいんだろうと思い、その視点で投稿を色々と読み返してみた。

>強く充足を感じることなく、相手のプラス視がなく、更に、表面的に規範に追従のみでは、意識が外に向かうわけがありません。当然、期待(重荷)に対する成果度も低い。
こうして、見るべき成果のない自己にばかり目が向かい、強い否定意識が形成されるのだろうと思います。(94064 多田さん)

>重要なのは「ごまかし」を言わせないことだと思う。
>つい最後まで聞いてから指摘しようとすることがあるが、実はそれがすでに迎合であり、相手はごまかしを言い切ってしまうと「もう怒られない。大丈夫」→「思考停止」になる。(93539 門さん)

 ごまかしや間違いを指摘すること、まっとうな評価をすることは当然必要。両方に共通しているのは、「ちゃんと言葉にする」ということだ。評価にしても指摘にしても、相手にわかるようにしっかり言葉化していかなければならない。「言わなくてもわかるやろ」というのが一番危険。それにつながることで、次のことが絶対不可欠だということがわかった。

>『その人が変れるかどうかは受け入れ側にかかっている』。
>原因を一緒に追求し、活力再生に導いていくって本当に大変だと思う。ゴリゴリ言っても伝わらない・・・待つことも必要なときもある。(84572 門さん)

>自分が当たり前と思うことでも、身近な「なんで?」を根気よく丁寧に具体的に説明すること、これも立派な答えを出すことである。(92773 足立さん)

 本当に何とかしようと思ったら、このことをしっかりと肝に銘じ、徹底するしかない。自分の接し方が変わらない以上、相手は変わらない。

 もはや「自分が当たり前だと思っていること」が通用する時代は、すでに過ぎている。現在が大転換点にある以上、「自分の」常識など何の拠り所にもならず、いとも簡単に吹き飛ばされてしまう。いよいよそこから抜け出さなければならない時が来たのだと思う。
 
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1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
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9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
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現実に社会を動かしてきた中核勢力
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