・前史 
93795 複雑系の概念2「フラクタル理論」
 
近藤文人 ( 41 東京 建築士 ) 05/07/02 PM10 【印刷用へ
フラクタル理論とは、1975年にベノア・B・マンデルブローによって提唱された幾何学の概念で、
最初、物理学・地理学などの自然科学の分野において形状解析の手法として注目された。
自然界のデザインにはどこか共通したもの形状がある。図形の部分と全体が自己相似になっているもの、自己相似性という原理が共通していると提唱。これを数学的に表現しようというのがフラクタルである。単純な同じ式の繰り返しから自然界の複雑なデザインを形を作ろうとする論理。ユークリッド幾何学困難な形や様々な物理現象が、フラクタル理論を用いると定量化する事ができるらしい。

フラクタル:自己相似性で作られる幾何学的図形
自己相似性:全体の構造がすべての部分に反映されるという性質のこと。図形の全体がその図形の部分と相似の関係にあること。

代表的なのは、コッホ曲線(雪の結晶を形作る)、シェルビンスキーのカーペット(曼荼羅のような模様を形作る)カントール集合、マンデルブロー集合、ジュリア集合などがある。非生物や生物の複雑なデザイン構成は、同じ自己相似性が見られると考えられている。

フラクタル理論では、簡単な式、簡単な原理を繰り返すと複雑さを形成することが出来る、それも無限の複雑さを形作るという自己相似性の原理に立つ。

自然界では、木全体と樹木の枝分かれの関係や雲や炎の形態、宇宙の土星の輪、天の川、または、宇宙構造理論の中に、生命の起源説には、生き物は簡単な法則の繰り返しから形作られているのでは?という課題を提示し、血管や神経構造や肺の構造、DNAの進化プロセスなどにもその構造があるといわれる。絵画や陶芸や音楽、リズム、メロディーなどの快感や美を感じる芸術の中、株価の動向など幅広い分野にフラクタル構造が見られるという。もっとも一般的に考えられているのは、海岸線の形。海岸線はマクロ的にみると複雑に入り組んだ形状をしているが、これを拡大していくとさらに細かい凹凸が出現して、拡大しても同じように複雑に入り組んだ形状を示す。自己相似性で無限に構成されている可能性があるということ。

その後、コンピューターグラフィックスの分野においても盛んに研究が行われるようになったとのこと。

単細胞生物から、多細胞生物より哺乳類から人類まで。形態の塗り重ねの構造を数値化しようとした試みのように思う。この自己相似性の概念は、変異を繰り返しながら同類他者を作り出してゆく生命の進化を見て取れるかもしれない。また、ネットワーク=協働関係で全体が形作られていることを示すものでもあるのかもしれない。複雑系のフラクタル理論は、カオス理論などの複雑系の概念とともに、要素還元的方法から脱出して全包括的方法での複雑系の数値化、理論化の方向を示しているのではないか?とも思う。
 
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