’70年貧困の消滅と私権の衰弱
92274 百貨店は「要らない」
 
矢ヶ崎裕 ( 30 長野 経理 ) 05/06/07 PM11 【印刷用へ
半年ほど前のことだろうか、新宿の老舗デパートが大改装をして、中身がすっかり変貌した。

それまでの店内は、典型的な「百貨店」のスタイル。主に衣料品が、所狭しと陳列されていた。だが、とにかく客が少ない。「これが新宿の一等地に立つデパートなのか?」と目を疑いたくなるような状態だった。

改装後は、1階をブランド物で固めている他は、ほとんどを大型書店と大型雑貨店とで占めている。“何でも揃う”「百貨店」の姿は、そこには無かった。ただし、改装前とは比較にならない賑わいを見せていた。

周囲の競合デパートが、早くから“専門店化”や“大型書店との連携”を進める中で、この老舗デパートは、明らかに取り残されていた。しかし、おそらく売上が減少し続けた結果、ついに認めざるを得なくなったのだろう。「百貨店は、もう要らない」という事実を。

私権闘争の圧力で満たされた社会では、人為的な私権の強制圧力とそれに基づく共認圧力によって、「私権だけが絶対的に必要」(従って、何にたいしても必要か否かの判断は一切無用)という極めていびつな状態が作り出されてきた。(33995

百貨店こそ、「私権だけが絶対的に必要」な時代の“申し子”だったのではないだろうか。「私権だけが絶対的に必要」で「必要か否かの判断は一切無用」な時代だったからこそ、あらゆる高級品を陳列した「百貨店」に、大衆が押し寄せたのだろう。

脱「百貨店」現象は、「百貨店」という業態が、「『必要か否か』という土俵上で真っ当な判断の洗礼を受け」(33995)て、「否」の判断を下されたことを意味している。

加えて言えば、新宿の大手百貨店が、相次いで大型書店と手を組んでいる事実は、最先端の意識潮流である「答え探索」の旺盛ぶりを暗示している。
 
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