市場は環境を守れない、社会を統合できない
92089 市場原理の導入は望ましいか
 
坂本日出夫 ( 44 東京 技術者 ) 05/06/04 PM11 【印刷用へ
>社会統合の問題を考える上で、『統合様式とは、何よりもまず、外圧(≒闘争圧力)に対する適応様式である』という大前提を決して忘れてはならない。
例えば、国家は闘争系の集団(統合)適応の原理に基づいた存在であるのに対して、市場はその闘争からの抜け道としての共生(取引)原理に基づいた存在であり、両者は適応原理という最も深い所で根本的に異なった存在であることを、(傍観者たる学者からの受け売りの様な、底の浅い概念を使ってあれこれ考える以前に)しっかりと認識しておく必要がある。(29834)

最近では、構造改革と称して郵政民営化が話題となっているが、JRやJTのように、市場原理を導入し税金の無駄遣いを廃すために、国営の機関を次から次へと民営化し、小さな政府を目指すのが本来の国家としてあるべき姿なのかどうか、少し疑問になってなってくる。

一般的に、一つの民間企業の最大課題は、市場競争に勝利することである。そこでは多くの企業が(大企業でさえも)本来の外圧(環境問題・精神破壊・経済破局etc)には対応出来ない。闘争からの抜け道である市場原理は私権圧力によって本来の外圧を遮断してしまう。

イギリスをはじめ、ヨーロッパ諸国で行われた構造改革(民営化→小さな政府)も、その当時の国家財政破綻を延命させたが、その後は国民の貧富の差が広がっただけで、民間活力導入によって、国民の活力が上昇したとは思えない。
ましてや、もともと国営企業の少ないアメリカは貧困エンジンによってかろうじて活力を維持しているにすぎない。(88925)

豊かさを実現した日本にとって求められるのは、国民全体の共認による国家運営であって、対処療法的な民営化政策は、外圧適応力を低下させる危険性を孕んでいる。
 
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