心の本体=共認機能の形成過程
91769 手紙の効用・・・「思い」が「想い」に転換する
 
越見源 ( 41 大阪 都市計画 ) 05/05/30 PM11 【印刷用へ
>共認回路を妨げるのは自我回路(自己否定、他者否定)であって、この自我回路は、「どうせ自分は○○なんだ」とか「どうせあの人は○○に違いない」というような自分だけの思い込み、自分発の思考。
それをうまく共認回路にシフトさせる手法としてこのロール・レタリングはとても面白いと思いました。


先日、露店によく来てくれる20代半ばの女性への悩み相談をしていてこれに似た体験をした。

普段の彼女に見られる症状は「自分がしっかりしなきゃ・・・人に頼っちゃいけない・・・」と強がりつつも、本当はいつも不安で自信が無く、本心では仲間の輪に入りたいのにそうであればあるほど素直な心を隠し「そんなのいらない!」と敢えてはねつけ遠ざけてしまう・・・実際親しい友人を何人も失ったとのこと。

彼女の悩みの背景にあるものが何なのか?まずは彼女の生い立ちや家族構成について話を聞いてみたところ・・・封印されたのかほとんど思い出すことのできないと言っていた過去の記憶の中に、朧げながら原因らしきものが見えてきた。
彼女は2〜3歳ずつ離れた4人姉妹の3番目であり、よくあることだが母親も祖母も一番下の子を可愛がり、彼女は絶えず比較され、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい!」といった類のことを言われ続けてきた・・・それが凄く嫌だった・・・。
その他にもこれまでの人生で辛かったことがいくつか出できたころで、簡単に分析し、引き続き数日かけて過去の記憶の旅・・・自分を許す旅に出てもらうことにした。

数日間過去を振り返り印象に残る出来事を書き出して行ったところ、どんどん記憶が甦り、それにつれて心に深くしまい込んであった苦しみの正体が徐々に鮮明になってきた。
その結果浮かび上がった来たのは・・・やはり母親と妹との関係・・・自分とは対照的に母親に素直に甘え、愛情を一身に受けた妹への嫉妬と、もはや憎悪にも近い感情。そして、そんな仕打ちをしてきた母親を責める気持ち・・・私も妹になりたい・・・。

欲しいけど得られない・・・結果、敢えて独りになったり、演劇や映画等現実を忘れられる活動に走ったり・・・そして、いつしか本当に欲しいものを「そんなもんいらない!」とはねつけ、周囲の期待を遮断する固定回路が出来上がってしまった。

ところが、それが概ね見えてくると、ようやく自覚された本心を母親と妹に伝えたい・・・そうすれば何かが変わる気がする・・・と思い始めた。
「まず自分から心を開く」・・・それが相手の心をも開かせ、恐らくお互いに心につかえていたものを解消するのではないかと思い、できたら伝えてみるように勧めた。
しかし、両親も妹も遠方で、電話では上手く伝わるか不安ということもあり、手紙に思いを託してみることになった。

それから更に数日間・・・じっくり時間をかけて手紙を書いた・・・すると、彼女の心に大きな変化が生じはじめた。
過去を振り返り、手紙を書くにつれ、どんどん素直な気持ちが生起し、あれほど嫉妬し、憎いと感じた妹に対する感情が、辛くあたって悪かったな・・・ごめんなさい・・・と謝罪へと転換し、母親を激しく責める気持ちも徐々に和らぎ・・・最後には、今までしんどかったけど、素直な気持ちを持ち続けて頑張ってきた・・・自分にありがとう・・・・と、自分への感謝へ。
そして、何か一つ硬い殻が溶けたことで、どんどん素直な気持ちが溢れ出して来た・・・
「さみしい・・・私ってこんなにさみしがりだったかな?」

過去の辛い記憶や思いを書き出し、更にそれを手紙に書いて伝えるという行為が、不安と否定視で塗り固められた意識を突き抜けて本当の自分の心と向き合わせ、素直な気持ちを自覚させてくれた。
・・・「私もお母さんの愛情が欲しかった・・・」「ごめんなさい・・・」
そして、相手の気持ちと同化することで、許してあげることができた。
まさに「思い」が「想い」に転換した・・・・

彼女の手紙は無事その想いをお母さんと妹に伝え、互いに何十年も頑なに隠してきた本心・・実は相手を思いやっていた心を開き出させ、一気に活力が再生した。

今、彼女は女露店主を目指し、元気に日々なんで屋に通っている。
 
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2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
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5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
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現実に社会を動かしてきた中核勢力
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