生物学を切開する
91624 「遺伝子共同体」の持つ意味、その2
 
吉国幹雄 ( 52 鹿児島 講師 ) 05/05/28 PM09 【印刷用へ
「がん遺伝子」などの「変な遺伝子」が共同的、適応的であるかどうかは、遺伝子共同体が真っ当な外圧適応態(統合体)であるかどうかに関わっているのではないだろうか。

統合されずに、バラバラに発現すればそれぞれが適応的にも非共同的にもなりうる。つまり、個々の遺伝子はさまざまな可能性(危険性も)を持っており、共同体=場の統合力の強さ・組織力が外圧突破の可能性に向けて、遺伝子群を収束させ適応的に発現させていくのではないだろうか。

進化史をたどれば驚くほどに、さまざまな遺伝子やたんぱく質がその時々で、あるいは生物種を超えていろんな意味で使われている。生物はいろんなものを溜め込んで、さまざまに有効利用している。
が、このことは遺伝子が変化したというよりも、遺伝子のもつさまざまな可能性に対して、「遺伝子共同体」という場の持つ統合力や収束方向が変化したがために違う意味を与えたからではないだろうか。

だから、高度な免疫系もよくよく調べると異物に対して一見悠長に見えるし、がん遺伝子も、ウィルスの潜伏にさえも寛容なのではないか。

徹底した外圧適応力が共同体の統合力を強くし、そのことがより「変な遺伝子」を取り組み利用する。危機状況と向かい合わせになることで、統合力はますます強まり、種の存続をかけて「変な遺伝子」は取り込まれ、そして生物は新たなる進化を遂げていく。

もし、外圧適応力を失い共同体の統合力が弱くなれば、そのことで「変な遺伝子」を取り組むこともできなければ、それまでに取り組んだ「変な遺伝子」の反乱をも引き起こす。
現在起こっている「精子半減とがん化の増大」は無関係ではないのかもしれない。
 
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