本能⇒共認機能⇒観念機能
91480 子殺しとオスの性的欠乏
 
ジャック・ダニエル ( 24 愛知 ) 05/05/26 PM02 【印刷用へ
>それに対して、チンパンジーの子殺しは、一般に良く見られる現象ではなく、稀に見られる現象で、それも、他の群れに行って浮気してきたメスの子殺しが多い様です(時に、オスたちが浮気メスに集団リンチを加え、そのメスを殺して終う場合もあります)。ここでは、父系集団たるチンパンジーのオスたちが、外からやってきたメスたちをどういう目で見ていたかを、推察する必要があります。
2069:四方さん)

 類人猿では、ゴリラとチンパンジーの二種において、オスによる子殺しが知られています。そして、その背景にあるのは、もっぱらオスたちの強力な性的な解脱欠乏ではないかと思います。

 オスたちの性的な欠乏が、子殺しの大元の原因であるとすれば、四方さんの書かれているとおり、(闘争共認集団であると同時に)解脱共認集団である群れの「性規範」を、メスが破ることが引き金になるという説には納得がいきます。

 そして何よりも、いったん出産をして子持ちになってしまったメスは、授乳期間中の間は発情しなくなってしまいます。この点が、オスたちにとっては手痛いところです。だから、子殺しは、メスを再び発情させて、自分が交尾するための最も手っ取り早い手段である、と言えます。そんな事が起こるくらいに、類人猿のオスたちの性解脱欠乏は強烈であると言えるでしょう。

 一方、チンパンジーと近縁のボノボにおいては、子殺しの事例がまったくありません。ボノボの集団の大きな特徴としては、メスが強い力を持っている「メス優位」の集団である事と、「徹底した乱交形態」である、という二点があげられます。

 チンパンジーに比べて、ボノボではオスとメスの体格差が小さくなっています。それだけ周囲の外圧が弱く、闘争色よりも解脱色の色濃い種環境であると言えます。集団内での解脱充足を強める方向に可能性収束した結果、ボノボのメスの性機能はチンパンジー以上に発達し、出産からわずか1年後に(授乳中であるにも関わらず)発情行為が復活するというボノボのメスの特徴が生み出されたのです。したがって、ボノボのオスにとって子殺しが必要ない=発生しない事になります。

 他方、私たち人類の場合を考えてみると、オス・メスの体格差はチンパンジー並です。しかし、外圧が極端に低下したボノボの集団に対して、人類集団の場合は逆に(チンパンジーとも比較にならない程に)外圧が凄まじく強力だったために、メスが「年中発情できる」という極度の解脱収束を可能にし、やはりボノボと同様にオスの子殺しは必要なかった、と言えるのではないかと思います。

 
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