日本人の起源(縄文・弥生・大和)
91370 「日本列島人の重層性」
 
澤根和治 ( 35 山形 設計 ) 05/05/24 PM10 【印刷用へ
>日本本土内で“様々な出自の部族”が、地域によって一定の傾向を示しつつ同時期に共存していたのが、縄文期本土の部族分布状況なのでしょう。(18807)

東京大学の徳永勝士らによるHLA(ヒト白血球抗原)の研究は、日本人の遺伝的な多様性,重層性を端的示しているようです。以下、日本人の起源 中橋孝博著からの抜粋です。

>…免疫機能で重要な働きをしているのがこのHLAと呼ばれるタンパク分子である。もちろん、体外から入ってくる異物は千差万別だから、それに対応するHLAの遺伝子群もきわめて多様性に富んでおり、近年ではこうした性質を利用して、指紋のように法医学で個体識別に利用されたり、親子鑑定などにも応用されている。

>…このHLA遺伝子群の特有の組み合わせ、ハプロタイプに注目して、その地理的な分布をもとに日本人の成り立ちを解明しようとした。ある特有のハプロタイプは、それを構成する遺伝子群の多様性から考えて、たまたまどこか複数の場所で同じものが生み出される可能性はきわめて低い。従ってあるハプロタイプが異なった集団で見つかったならば、それはその両集団が過去に少なくとも祖先の一部を共有していたことを意味するはずである。

>…東アジアを中心に広く世界各地のHLAハプロタイプを調査する中で、日本人の形成に関与したと考えられるいくつかの大陸集団を浮かび上がらせた。…日本人を形成した祖先集団は少なくとも四つ、ないし五つあり、それぞれ異なったルートで日本列島に流入したと考えている。また、これらとは別に、頻度は低いが南九州と東北北部に共通して存在し、その間の本州中部にはきわめてまれなハプロタイプもあることも突き止めて、おそらくこれが縄文時代人の特徴の一部を反映するものであり、…四種のハプロタイプは、弥生時代以降に渡来してきた人々を特徴づけているのかもしれないと述べている。…

実際、地図上で示されている大陸集団のハプロタイプと各々の日本列島への渡来ルートは、九州〜西日本から想定されています。ただし、ハプロタイプそのものはやはり南方モンゴロイドと北方モンゴロイドのもの両方示されており、その意味でも日本には様々な集団が渡来した可能性が高いことを示していると思います。

以上一例ですが、遺伝学的視点による渡来時期やルートの研究が現在進んでおり、最後に、この章を締めくくる仮説が紹介されています。

>「始め日本列島にはアイヌや琉球人の…(中略)…集団が北から南まで連続的に分布していたが、のちにアジア大陸から…(中略)…モンゴロイドの特徴を備えた集団が渡来し、その影響が西日本にはじまり、日本列島の南北両端を残して九州・四国・本州にひろがったということが考えられる。つまり、もともと非モンゴロイド的な、いわば基層集団とでもいうべきものが分布しているところへ、あとから大陸モンゴロイドが覆いかぶさるように入って、今日の日本列島人の二重構造ができあがったという考え方である。」

ここでいう基層集団は、実現論にあるような共同体的資質を備えていて、その後、渡来人による影響を受けたのではないでしょうか。

>島国ゆえに一七〇〇年前まで掠奪闘争に巻き込まれることなく原始文明を発展させてきた日本人の心の底に残る本源的な共認体質は、極めて貴重である。(実現論2_2_06)
 
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