密室家庭は人間をダメにする
90609 かわるために、つながっていてほしいもの
 
内田有紀 ( 22 大阪 会社員 ) 05/05/13 AM02 【印刷用へ
先日、新聞を見ていて、印象に残る記事がありました。

日本経済新聞 5月7日(土)朝刊より
以下は一部抜粋です。

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『未知なる家族 第5部 きずな探しが始まるB』−幼い心に「はすかい」−


「なりきれない親」

(中略)

 若い親だけでなく祖父母世代も核家族化などで子育て経験に乏しい。しつけ、導く力の低下。親になりきれない親が増殖している。
 製薬会社の監査役を引退してから福岡県で座禅道場を開く笹良照二(73)は昨年、はしの持ち方指南書を自費出版した。合宿で食事を共にした子どものほとんどが、上手くはしを操れないことに危機感を募らせた。
気になって観察すると、親もきちんと持てていない。「自然に基礎的な生活習慣を覚えられない」。なんとか家族の穴を埋めようとしている。

(中略)

 家族は縮み、近所づきあいも減った。民間から公立中学校校長に転じた藤原和博(49)は言う。「失った最大のものは斜めの人間関係」。柱を補強する「はすかい」だ。
 親や教師という縦のつながり、友達という横のつながり。それだけでは幼い心に社会性が育たない。おじ、おば、いとこ、おせっかいな商店街のおじさん…。多様な立場で子をはぐくむ存在の欠落。待っていても、はすかいは築かれない。
 静岡県沼津市。片浜中学校の生徒は2週に1回、ボランティアのベビーシッターに変身する。放課後に2人一組で、地域の希望者宅を訪れる。
「赤ちゃんはうるさいだけ。産みたくない」。生徒の言葉にスクールカウンセラーの田村輝美(52)が衝撃を受け、活動を始めた。いとおしさを実感できず、少子化につながる悪循環を食い止めたい。「きょうだいができたみたい」。現代版子守りは今、生徒たちに人気だ。

(中略)

「投書で‘子ほめ’」

 学力より「子ほめ」− 福岡県芦屋町の公民館や町役場など23ヶ所には、「よさボックス」がある。住民が近隣の子どもについて投書する。ただし、内容は「ほめる」。
 町内の学校は、2002年、文部科学省の肝いりで学力低下のばん回に乗り出した。ドリルや習熟度別学級で一定の成果をあげたが、その先が続かない。授業に集中できない、遅刻を重ねる。「規範意識を高めないとなんんにもならん」。教育長の中島幸男(64)は、地域ぐるみで、若い世代を見守ろうと思い立った。
 橋本義之(64)は投書した一人。町民会館の演奏会で昨年、吹奏楽部の中学生に気持ちよくあいさつされた。「自分もよその子を気にかけるようになったね。」
 子を持つ人も、持たない人も、育て上げた人も。まず、隣の子どもに感心を寄せることから、未来が始まる。
=敬称略

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以上、引用。(かなり略してますが)


最初、「マスコミや、プロには答えは出せない!」という議論に、いつも「うんうん」と納得していたし、今回の記事を読んでも、「問題提起しっぱなしで、じゃあどうすればいいか?の中身はスッカラカンやん」と思っていたのですが、

>子を持つ人も、持たない人も、育て上げた人も。まず、隣の子どもに感心を寄せることから、未来が始まる

って言ってるのを見ると、「答え」なんてそんなレベルには到底届かないにしても、「答えの片鱗の片鱗」ぐらいは意外と発信できてるもんなんやなぁ。
と思いました。

そして、
「ほめる」こと、私の親はあんまりしてくれませんでした。
今も、祖父母と共に「ほめすぎたら子どもは調子乗るで、自信過剰になるからアカンで。」なんて言って「ほめる」ことが「良いこと」という意識はあまりないらしいです。
(まぁ確かに一理あるとは思うんですけどね。)

けど、子どもの意識としては「ほめられる」とやっぱりうれしいし、やる気がわくことは確かだと思う。

でも、「ほめる」ことの本質はここじゃなくて、
「評価」にあるんだと、私はおもいます。
「見てくれてる人がいた=評価してくれる人がいた=自分が誰かの役に立てた⇒活力」
ここが一番大事なんじゃないかと。

「評価」を、
家族や先生や友達だけじゃなくて、
「家庭」も「学校」も、枠を取り払って、
「斜めの人間関係」
で、どんどんつなげていくことで、より深めていける。
社会は人々の意識で成り立っている、ことが、体と心と頭全体で感じられるかも。

>しかし、時代は変わり、序列原理から共認原理へと大転換を遂げ、そういった親からの話は、子にとっておせっかいにしか聞こえてこなくなってしまった。子は親の気持ちに応えたいと思う。しかしながら、可能性を感じる事が出来ず、素直に向かえない。
 親の期待に応えたいけど、応えられない。そんなジレンマに陥って苦しんでいる若者が自分も含め、本当に多いと思う。
 そんな苦しんでいる子を見て、親も苦しんでいる。お互いを想う気持ちがうまいこと噛み合っていない・・・(90251 関谷さん)

>親と子の間では絶対的な序列格差があり、何の圧力も働かない家庭という閉鎖空間の中では、親子だけで関係を修復するのは難しい。親と子の間で関係を取り持つ第三者の存在が必要だと思う。それも、お互いを思う気持ちが噛み合わせる答えを持っている存在が。(90251 同上)

>親は、子を想っている事を子に伝える事
 子は、親を想っている事を親に伝える事
 序列原理から共認原理に大転換を遂げた事
 親と子が、なんで?を一緒に考えていく事(90251 同上)


社会を変えるために必要なのは、「家庭」と「学校」と「斜めの人間関係」の3本柱がうまくかみ合う事、それぞれの足りないところを補い合って、いいところを活かしあって、上手に融合することなんじゃないかとおもいました。

90251の、上述で引用させていただいた関谷さんの投稿の、
「親」を「おとな」に、
「子」を「こども」に、
入れ替えて読んでみると、
ちょっとだけ「社会を変える」ための可能性が見えてくる気がしました。
 
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