心の本体=共認機能の形成過程
90170 ドッグ・シェルター
 
笠原光 ( 30代 岩手 デザイナー ) 05/05/07 AM03 【印刷用へ
少年犯罪を繰り返し行う未成年者たちのほとんとが、自己中心的で他社否定や警戒心・攻撃心が強く、そしてその多くが自分は誰からも必要とされてないといった自己否定意識を強く持っているといわれています。また、少年院を出所してたとしても何度も同様の犯罪を繰り返し、また少年院に戻ってくるという再犯性が問題視され続けています。

アメリカのポートランドではドッグ・シェルター*に来た犬の世話やトレーニングを、少年院の子どもたちがすべて担うという社会復帰更正プロジェクトが一部で進められいます。この「プロジェクト・プーチ」といわれる更正法を受けた少年達の再犯率はなんと「ゼロ」。今、その成果の高さが各方面の少年犯罪関係者の注目を集めています。

プロジェクト・プーチでの犬に対するトレーニングは、力を使うのではなく「陽性強化法」という、ほめてしつける方法で行なわれます。このプロジェクトの核心は、自らと全く同じ境遇の犬に対する同一視と肯定視、その対象を更正させる当事者としての立場。というダブルキャスティングにあります。自分と同じ様に愛情を断ち切られ、必要とされず、見捨てられやがては殺される運命の存在。まさに今の自分に重なる境遇。そして、その相手に生きる希望を与えらるのは自分だけという、相手に必要とされる立場だけが与えれられます。

そこから、対象同一性・相手を思いやる気持ち・期待・応合の意識がめざめてゆきます。そして相手の充足が自らの充足になる。その認識を体得した彼らは二度と犯罪を犯すことがなくなるのです。ロードレンダリングが架空の手紙による共認回路・同一視の強化方法であるならば、この方法は自分と全く同じ境遇の「犬」をインターフェーサーとした共認回路・同一視回路の強化方法の一つなのでしょう。

これらの事例に共通なのは、問題者自身を回答者へ転換させるという逆転の発想。たとえ自らが欠乏や不全を孕んでいても、相手に充足を与えられるように対象化し応合する。この一見理不尽に映るかもしれないこのスタンスこそ、実は出口のない精神の袋小路に対する答えなのだと思います。なせならば、共認動物たる人間はそれが出来る事によって初めて、自らの抱えていた欠乏や不全が心底から満たされるのですから。

*「ドッグ・シェルター」
現在、捨てられた生きている犬を殺処分する施設は人知れず、世界中にあります。まだ多くはありませんが、捨てられた犬たちの新しい家族を探すドッグ・シェルター(保護施設)と呼ばれる施設があります。飼い主に一度捨てられた犬は、人間不信になり警戒心が強くなり人になかなかなつかないものです。ここでは、捨てられた犬たちがトレーナーから愛情をもったしつけや再教育のトレーニングを受け、そして新しい飼い主へと引き取られていくのです。

<参考図書>
『 ドッグ・シェルター 犬と少年たちの再出航(たびだち)』
今西 乃子:著  金の星社

 
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120690 対象性を磨かせる、圧力 柳瀬尚弘 06/06/14 AM01
92456 Re;ドッグ・シェルター 江岸元 05/06/10 PM09

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自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
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2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
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