収束不全:やりたいことが見つからない
90050 答え探索と必要か否かの『判断の土俵』
 
雪竹恭一 ( 38 大阪府 営業 ) 05/05/04 PM11 【印刷用へ
>この『必要か否か』という判断機能は、存在(本能・共認・観念)を貫く、極めて基底的な地平にある判断機能である。あるいは、全ての生物に備わっている不可欠の生存機能であると云っても良い。(33995

『必要か否か』というのは、確かに、極めて基底的な地平にある判断機能ですが、人間の場合は、その判断の中身は、みんなの「共認」によって決まるということが大きいと思います。人間にとっての『判断の土俵』というのは、そのような共認機能が発揮される土俵、或いは、共認形成の場というような意味合いかと思います。とりわけ、本能を直撃するような生存圧力を克服した現代の人類にとっては、本能的な『要・不要』というよりは、共認機能(或いは共認形成の場)によって、『必要か否か』という判断が決まるという比重の方が大きくなってきていると思います。

ところが、私権統合が崩壊し、私権の強制圧力が衰弱した現代においては、『本当に何が必要か?』という答えを突き詰めて考えると、その答えはあまり明確ではありません。むしろ、何が答えかが分からないという収束不全の状況にあって、『本当に必要なもの』の答えをみんなが探索しているという意識潮流が基調にあるのではないかと思われます。例えば、家計の消費で延びている教育(子供への投資、自分の資格)、サービス(ネットや携帯などの通信費、医療・福祉サービスなど)、娯楽(旅行や交際費)などは、それが『本当に必要なものである』とみんなが確信しているから延びているというよりは、『みんなが必要としている(であろう)』と思われるものを探索しているから延びていると考えた方が、実態に近いような気がします。

そのように考えれば、現状は、収束不全故の答え探索基調によって、本来の必要か否かの『判断の土俵』が顕在化しつつある状況にあると言えるのではないかと思います。例えば、「みんなどう考えているんだろう?」「本当はどうなんだろう?」といった答え探索の基調は、「みんなの評価」という共認機能を本来の判断機能として機能させよう(=『判断の土俵』を再生させよう)とする潮流と見ることもできるのではないかと思われます。

『判断の土俵』が顕在化してくれば、、『必要か否か』の内容を固定化するための先端機能である評価共認に収束してゆくのは必然的です。生存圧力を克服した人類には、人類本来の基底的な判断機能である評価共認を羅針盤にして、最も確かな答え(本当に必要な内容)を確定してゆく可能性が開かれたと言ってもいいと思います。

そうなれば、最先端の評価指標が「どれだけの人に共認されたか」という『人数』になってゆくというのも必然です。現状でも、教育やサービスや娯楽などの評価も、その供給者がいくら売り上げているかという『お金』よりは、どれくらい人気があるかという『人数』が第一のモノサシになってきていますが、今後この流れはますます強まってゆくであろうと思います。
 
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