現代意識潮流を探る
89703 自分収束は、観念探索の始まり
 
冨田彰男 ( 41 兵庫 経営管理 ) 05/04/28 PM10 【印刷用へ
これまで、若者の自分収束を、個人主義の末裔のように捉えてきた。あるいは、旧観念しか知らないので、若者はそのような言葉を使う他なく、旧観念に洗脳されていく一方だと捉えてきた。この捉え方自体は誤りではないとしても、一面的すぎたのではなかろうか。

「自分の存在理由を確かめたい」「自分の価値観を確立しなくっちゃ」「自分をしっかり持たなくちゃ」という話を若者から聞く。ところが、彼らから自己正当化や他者否定、「自分さえよければいい」と言った印象は受けない。そういうことを言う若者が「仲間第一」だったりする。

一方、大学の授業では(自我)心理学や哲学が人気らしい。露店に来た女子高生も「心理学に興味があって、大学に入ったら勉強したい」と言っていた。よく考えてみれば、私権統合が崩壊したのに、観念に収束するのは一見矛盾した現象だ。私権追求は観念捨象を付帯させるからだ。

私権闘争やその私権圧力は、永い間人々の本源的な社会収束を封印してきた。とりわけ、その私権闘争(やその奥の私権欠乏や自我欠乏)を正当化した「お金だけ」「自分だけ」etcの私権観念は、もともと強く社会捨象を付帯させている。2498024981

'00年私権統合の崩壊によって、観念捨象の封鎖が解除されつつある。同時に、私権の獲得という目的=同化すべき対象を失った。そして、収束不全⇒同化すべき対象=確かな中身を探索している。その現れが若者の自分収束(ex.自分の価値観を確立しなくっちゃ)なのではなかろうか。自分収束は、充足基調の中から観念探索が始まる一つの萌しと捉え直すことができると思う。

自分収束とは「自分の存在の意味が知りたい」という欠乏とも言える。そのもっと奥底では「自分が置かれている状況を知りたい」という状況探索(みんな探索)とも繋がっていると思う。状況探索(「みんなどうなん?」というみんな探索)と自分収束(確かな中身探索)。この両者は深層では繋がっているとしても、顕在意識上では断絶しており、若者はその狭間で揺らいでいるのではないだろうか。

だとすれば、「確かな中身は自分ではなく、対象(みんなの意識)の中にある」。私たちは、そのことを伝えるべきではなかろうか。それによって初めて、みんな探索=確かな中身探索として若者の意識も統合され、本当の観念探索が始まる。そして、新概念の必要が共認され始めるのではないだろうか。
 
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