心の本体=共認機能の形成過程
89292 反応と活力
 
吉国幹雄 ( 52 鹿児島 講師 ) 05/04/21 PM08 【印刷用へ
「反応があれば活力が沸く」というのは、人類は「絶えずみなを羅針盤にして行動してきた評価共認動物だから」と思いますが、もう少し掘り下げて考えてみました。

>ミラーニューロンの働きにより、相手を見つめることで、相手が感じる・行動することにより起こる脳の反応が、自分の脳にも同様に起こることで、相手を理解することができる。これならば、観念機能によらなくても「相手も同じく自分に依存し、期待しているんだ」と分かり、お互いに共認できるのではないかと思います。<(16880、斎藤さん)

ミラーニューロンは他者の特定の動きを観察しているときに反応する脳内の細胞群で、運動野の前にある領域です。が、実はこの領域には発話音を制御しているブローカ野があります。視覚と聴覚は独立に存在しているのではなく、実際に聴覚が視覚の影響を受ける「マガーク効果」のような現象も観察されています。(参考:「進化する脳」:日経サイエンス)

*「マガーク効果」:例えば「ば」と発音している口の形をに同期させて「が」という音を流すと,「だ」という音が聞こえる。
<参考>
リンク

つまり、ブローカ領域の神経システムは、ずっと古くからある共感システム(身振り手振りの動きを観察から導き出す視覚システム)を土台にして、適応進化した可能性が高いわけです。逆に聴覚刺激もこのミラーニューロンが作動する。観念刺激もこのミラーニューロン(共感回路)が作動・反応する。だから脳回路的には、我々が意識するしないに関わらず、錆付いていたり研ぎ澄まされたりと個人差はもちろんあるでしょうが、相手の表情を読む、相手の反応によって行動していくというのは、人類に深く刻印されているということでしょう。
つまり、「プラスであれマイナスであれ、なんであれ反応があると活力が沸く」というのは、人類が共認動物であり、相手の反応(対象同化)にこそ人類は突破口を見出してきたからだと思います。

ところで露店でよくみんなが買っていくカードに、「想うとは相手の心と書く」があります。私も好きな言葉ですが、この「思う」というのは辞書を引くと「面う(おもう)」が原点のようです。相手の表情の変化を、相手の「面」の変化を読み取る、そのことで初めて「思い」を共有する。相手の反応にこそ「思い」があるのでしょう。
一方で「人間は考える葦である」という西洋の格言があります。人類の先端機能「観念機能」の重要性を指し示した一事実であるとは思います。が、それだけでは何の「面い」も感じられないあくまでも「個人」を原点にしたカタワの思考でしかないでしょう。
「反応」があってこそ、「考え」が人々の「思い」となり豊かな行動指針となるのでしょう。

人間は、絶えず評価を求める存在というよりも、絶えず周りの反応をうけて行動する共認存在だから、「反応があると活力が沸く」というのは至極当然のように思います。
 
  List
  この記事は 16880 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_89292
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp