素人による創造
88601 事実が一つでは無い理由
 
沼田竜一 ( 45 北海道 エンジニア ) 05/04/09 PM09 【印刷用へ
>「事実の認識」とは永遠に一ところにとどまらない、しかしどんどん高度化していくものだと私は思います。科学もそのうちの一つです。柔軟性を失い固定化されたとたん、それはイデオロギーに変貌します。

>定説をまるで完成された事実のごとく信じ、それとは異なることを言う人間を、頭から間違っていると決めつけるスタンスは、とても科学的認識とは言えないでしょう。 (2058 事実の体系とは永遠に進化しつづけるもの)

まず辞書には、「事実」とは「実際に起こった事柄。現実に存在する事柄。」とあり、普通の人は事実は一つしかない、と捉えていると思いますし、多少の誤差や相違を無視すれば(無視して差し支えのない範囲に限定して論ずれば)事実と言って差し支えないことも多いと思われます。

但し、多くの現象や過去の事柄(歴史も含む)は唯一絶対と言えるほど単純なものは少なく、観察者や記述者の思惑を含んだり、現象の一面を捉えたに過ぎないものが数多くあります。現在いわれている事実の大半がそういったものだと言って差し支えない位です。

事実が唯一絶対と捉えられない最大の理由は、ほとんど全ての現象は様々な要因が関係し合って生じている複雑系の現象だからです。

『複雑系とは』:
>多くの要素からなり、部分が全体に、全体が部分に影響しあって複雑に振る舞う系。従来の要素還元による分析では捉えることが困難な生命・気象・経済などの現象に見られる。高精度の測定技術、カオス・フラクタルなどの新概念の導入、コンピューターの活用などによって新しい研究対象となりつつある。(三省堂 『デイリー新語辞典』より)

これは自然現象、科学現象、社会現象の全てにおいて言えることです。特に歴史事実と言われるものや現在の社会現象(経済なども含む)はかなり一面的な見方でしか論じられておらず、本当に事実か?とちょっと疑ってみるとたちまちいろんな事実(見方)登場してきます。

複雑系のモノの見方ができれば、事実は一つとは限らないので常に柔軟にみていく必要があることはすぐに気付けるのではないでしょうか。また、今言われている事実というモノがどういう条件・状況・視点・立場でのものなのかという興味も湧くと同時に、本当と言えるモノ(みんなが事実と認めるに相応しいモノ)ってなんだろう?という本質が気になってきます。

但し、疑うだけでは混乱するだけなので、その指針たるモノが必要になります。今求められるのは、その指針たり得る根本理論なのではないでしょうか。
 
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