法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
88582 悪いのは市場か国家か、それとも旧観念か
 
篠田悟 ( 28 茨城 設計 ) 05/04/09 PM02 【印刷用へ
市場と国家。これの関係はどういったものなのだろうか。国家があってその中で市場があるはずなのに、なぜ市場が独立して動いているように見えるのだろうか。


国家のみで独裁されている時代は、国家の元に市場社会が形成されていた。その中では、身分社会制度によって上位の特権階級を除き、自我私権はある程度封鎖されていた。

その後、資本主義思想による個人の利益追求の可能性が開けたために、市場と国家の機能が分離することとなる。具体的には、個人や集団による私権の追求の可能性→国家はその市場の利益で国力を徴収(税金)するシステムとしたために、市場は国家の抑止力としての圧力を失うこととなり、個人の私権追求に伴い市場が勝手に拡大していった。

国家がその主導権を握るべきところを増殖という形で、その市場の拡大を無差別に許してしまったところに、問題がある。(この時点では、それが正しいことだと思われていた)
そして、資本主義の私権社会では、利益追求の幻想のために、この市場拡大を擁護しなければならなくなった経緯がある。しかし、実際は国家があって市場が形成されるのだが、この理由により国家と市場の関係が逆転してしまったかのように今は見えてしまっている。

また、国で働く職員(公務員)にも、私権による利益追求の共認が浸透してしまったことによる別の問題が発生している。

市場が右肩上がりで上昇している時代でも、公務員の給料は一定の割合で増加していくような市場とは切り離された昇給システムではあったが、税金がそれを上回る額で回収できたため機能していたシステムであったと言える。しかし、市場が縮小してきてからもそのシステムを大きく見直されはしない。それどころか、定年退職による退職金が上乗せされ、実質予算の半分が公務員の給料に費やされているというおかしな現状にまで発展してしまった。その間にはいつの間にか公務員の人数が爆発的に増えているという現実もわすれてはならない。

必要か否かを勝手に判断し、独断で共認支配を牛耳ってきたしわよせをどうするのだろうか。
市場での企業なら一人の定年までにかかる予算を算出し、採用と採算が合うような経営を構築していかなければ破綻してしまうのは常識である。課題の対象は外の世界(圧力)とのやりとりによって決定されていくべきものなのに、なぜその意識が国には発生しないのか。


一定の額を給料として支払うのは昔の価値判断によるシステムである。国力の徴収(税金)がままならない状態になったにもかかわらず、つぶれないことをいいことに観念を塗り変えることができないのは、圧力を直に受けない傍観者の地位にいるからだろう。これを理由に、予算が足りない→借金(国債)では、話にならない。

もちろん、問題はそれだけではなく、予算を掛ける事業の選定にも問題はある。男女同権だとか人権だとかで発生する、あらゆる補助金によって予算が削られてゆく。残った予算でいったい何をしているのかは、ほとんどの人は知らない。


国は、企業の経営として見れば、倒産してもいいような借金を保有しているといえる。
それでも、つぶれないからと言って現状を維持しようとするのは欺瞞である。根本的な意識改革ができないのなら、すべてを壊して(旧観念無用)新しく作り変えてゆかなければならないはずである。

これらの要因のすべては、先が見えないことへの状況判断が適切ではないことがあげられる。
フリーターが増え続けるから税金徴収が減るのでフリーターへの徴税を強化したり、離職率が多いから、何で離職するのかの追求をせずに、労働環境の再確認と雇用管理に配慮する方針を打ち出したりとか、ほとんどの対策に「安易」という感が否めない。「なんで」なのかの原因分析が抜けている。ホントにこの意識はいつ変わってくれるのだろうか・・・。
 
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