経済破局は来るのか?
88336 投資の世界に現れた小さな流れ
 
田野健 HP ( 42 東京 監理 ) 05/04/03 PM11 【印刷用へ
社会的な評価指標の一つに株価という数値がある。
ニッポン放送問題のような巨大投資家の作為によって実際、市場も企業も今やコントロールされているとも言える。しかし市場経済が健全な時代には株価は企業の健全性を図る上での大きなものさしの一つだった。
現在その関係がどうなっているのかは計り知れないが、市場秩序が残存している現在、まだ評価基準としては一定機能しているとも言える。

SRIファンドという投資パックが最近注目されているらしい。
「社会基準を投資基準に」というタイトルで読売で取り上げられていた記事を紹介してみたい。

>低金利政策が続き預貯金では利子も付かないため、株式投資に目を向ける人が増えている。その株式投資の目安として、最近注目されているのがCSR(企業の社会的責任)だ。社会貢献度の高い企業に投資する考え方で、こうした銘柄を集めた投資信託の品揃えも充実してきた。
CSRは企業、社会、責任の頭文字を取ったもので、法の順守などの社会性や倫理性、環境や地域への配慮といった社会への責任をきちんと果たしている企業を選んで投資するのが、社会的責任投資(SRI)である。
証券会社などの運用担当者が企業の財務情報だけでなく、「社会に貢献しているかどうか」を重要な判断基準として株式を購入し、運用するのがSRIファンドだ。社会的責任を果たす事は経済性と反する要素があるかもしれないが、消費者の信頼が高まるので安定した収益があげられると考えられる。

■銘柄の見極め
ファンドの性質上、社会的責任を果たしているか企業を見極める必要があるため、各社とも専門の企業経営評価会社の情報を活用している。住友信託銀行が関連会社の住信アセットマネージメントと共同で開発し、2003年12月に発売した「住信SRI・ジャパン・オープン」はシンクタンクの日本総合研究所の調査を元に国内の上場企業50〜100社に投資している。法令を守っているか、環境保護に貢献しているかなど4項目が評価基準だ。
他にも6社6商品がSRIファンドとして登録されており、投資資産は小さいところで13億、最大は375億という規模だ。
〜記事の中でまとめらていた評価基準をまとめると
社会貢献、環境活動、経営理念の浸透、責任説明・透明性、倫理・法令順守、割安さ、家庭との両立、成長性を挙げている。

「三菱SRIファンド」は「仕事と生活を両立でき、多様で柔軟な働き方ができる」と判断した企業100〜150社に投資するのが特徴だ。産休や介護休暇の制度内容、働く人の健康や安全への配慮など銘柄組の評価基準としている。

〜以上抜粋と要約

この記事をどう評価するかは微妙だ。投資家が人々の意識の中に芽生え始めた社会貢献という潜在思念を巧みに捉えて商品化している現象の現れともとれる。また、お金を抱える投資家達は確かに投資できる先を失いまたは探しており、その探索の先に社会貢献という評価指標が確かなものとして顕在化しているとも言える。
しかし、この記事にあるようにその評価基準がことごとく旧観念の指標に依拠しており、この商品事態にはその中味が伴っていないとも言える。極端には三菱の例のように仕事と家庭を両立という事が社会貢献のファクターとなっている事においては何をかいわんやである。

逆に言えば、今や社会貢献という評価指標だけが先行して顕在化し、その中味は探索が始まったばかりであるという事。
その中心にシンクタンク等の調査会社が必要か否かはこのファンドの稚拙な基準を見れば明らか、社会貢献という評価軸を出すのなら真っ先に社会の抱える諸問題に対してどのように当事者として対峙しているかを見て評価すべきである。そしてその評価とは既に大衆自身が行い始めているはずだ。

敢えて評価機関をつくるのならこのるいネットのような万人の共認をベースに運営しているネット=社会空間のようなものになるに違いない。そしてそれが確固たるものになった時、社会貢献に投資するというお金の流れは株式市場に留まらず、本流となって定着するだろう。
 
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