共認心理学:現代の精神病理
88289 期待封鎖(→不安捨象)は記憶力も衰弱させる
 
橋口健一 HP ( 42 大阪 技術者 ) 05/04/02 PM10 【印刷用へ
 露店に自律神経失調症(要は原因不明の診断)で悩んでいる子が来店した。とにかく電車に乗ると酔って体調が悪くなるらしい(どうき・息切れ)。現在はフリーターをしているが専門学校に通っている時も(現在も)、電車に乗れないので徒歩で通える所で一人暮らししている。特に痴漢に合った訳でもないのに「電車が恐い」らしい。症状が出だしたのは専門学校(コンピューター)に通い始めた頃からだと言う。

 不安の原因が過去にあるのだろうといろいろ尋ねてみるが、特に中学時代の記憶が極端に乏しい。中学の話なのに女子高時代の話をしてみたりしてなかなか要領を得ない。そこで、小学時代まで遡って聞くと仲間関係が上手くいかず、中学でも男子からイジメを受けていたらしい(ぼんやりとした記憶だが)。

 不安(他人不信)が継続すると不安から脱出するために自分観念で期待を封鎖するようになる。彼女の場合は、男子がいるからダメなんだ、だから女子高へ。親からは「自立しなさい」と言われつづけ専門学校へ行かしてもらっているが、実は授業が難しくてついていけない。でもそれは親にも周りの友達にも言えない。その内、学校に通うのが辛くなる。ある時、丁度電車に乗っているときに極端に気分が悪くなった。それで「電車が悪い、電車はダメ」と思うようになったのだろう。

 このように、不安な感情が生起するとその都度ダメ観念で押さえ込む。不安を捨象することに全エネルギーを注いでいるので、自分にとって何か都合のいい対象に原因を転嫁するようになる。嫌なことを忘れる為に必死なのだが、本心を誰にも言えないこと(=期待封鎖)が身体に変調を及ぼしている原因だと思われる。しかし、聞き出す(開きだす)そうにも記憶が乏しいのは何故だろう? 嫌な記憶なら残りそうなものだが、実現回路が貧弱で逃避傾向の場合は記憶を曖昧にしてしまう構造があるのかも知れない。

 ある人から「そもそも記憶とは感情とセットであり、思い出す(観念を使う)ことによって定着する」と教えてもらった。そうであれば、思い出したくない嫌な記憶は定着されない。だから記憶も曖昧になる。そうすると、期待封鎖(→不安捨象)の傾向の強い人は記憶力も乏しいのではないか。確かに、自分の事ばかり考えていれば目の前の現実対象に向かえず理解力も低くなる。

>生きていくうえで重要な本能次元の機能だけでなく、喜び、悲しみといったような感情=共認次元の機能、言語など観念次元の機能も廻りのみんなから教えてもらって獲得していく。(85357、西谷さん)

 立ち直ってゆくためには、西谷さんが言われている「共認適応=共認に委ねることで外圧に適応していくこと」を知る必要がある。そのためには、心を開いて周りから教えてもらう場が必要だ。そこでは、いままで頭(観念)で押さえ込まれていた潜在思念の開放と、それを受け止め整除する構造認識の獲得という両方の作業を、廻りのみんなを意識して実践する必要があるだろう。

 具体的には「るいネット」で紹介されている、「感謝と謝罪のトレーニング7660483283」や「期待のイメージトレーニング87972」で先ずは潜在思念をスッキリさせることで、ようやく現実の対象(課題)に向かっていける。読み返してみただけでも何だか記憶力も高まっていくような気になってくる。
 
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