とある老人ホームの設計に現在関わっているところです。設計チームで、このるいネットで培われた認識を軸に、閉塞状況にある老人ホームに活力を取り戻そうと、コンセプトを組み立てました。
「外圧の再生」「共認の再生」「役割の再生」
先日、運営者に上記コンセプトを説明し、それに付随する具体的な提案をしました。終始、コンセプトシートを見ながら、真剣な表情で頷きながら聞いて頂けました。その時は、実は反応は少なく、むしろ今まで聞いたことのなかった「共認」という言葉にも、逆に違和感ない様。「むしろこの3つのコンセプトどれかが欠けていてもダメ。全て必要なこと。」と言ってもらえました。一方で、僕自身伝え切れなかったか?という不安もありました。
その打合せから一週間後。コンセプトを元に見直した提案をし、打合せも一通り終了したところで、運営の方から以下のような課題が発せられてきました。
「せっかく老人ホームをつくるのだから、老人が入居し元気がでるにはどうしたらよいか?本当に考えていきたい。」
そこから、僕もその場にいる関係者とどうしたらよいか?自然な議論→課題へとつながりました。
正直なところ、老人ホームとはいえ、市場原理に基づく利益の確保ははずすことができません。コンセプトを提示するまでは、それまでの打合せを通して、どちらかというとビジネスライクな人達だなと感じていたくらいです。ところが、私権課題を乗り越え、本当の問題をどうしたらよいか?自然と議論できるようになったことに驚いています。
また、その運営者からの期待を受け設計するチームの皆も同じです。今までとは違う視点やアイデアが出てくる。今は、それを実現すべくさらなる追求に向かっています。
本来解決すべき問題群を捨象し私権追求に向かっていた時代に対して、これからは新認識が力を発揮し、私権課題さえも包摂してしまう…改めて実感しました。新認識を軸にした仕事が、様々な業界において生じている不全を解消していく…
当然、実現基盤として利益が必要である。そういう判断が下される場面もまだまだあります。しかし、そこを一歩踏み止まって考えたい。目先に収束するより、やはりまず本質の問題を突くためにも、新認識を軸に提示すべきであると。
PS:現代版 幼・少・青・壮・老のお題「高齢者の役割がある筈」は具体的な例が多く、大変参考になりました。感謝です! |
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