私権社会の婚姻制
84746 夜這いを懐かしむ民宿の主人からみた現代の性
 
本田真吾 HP ( 48 香川 建築家 ) 05/01/28 AM11 【印刷用へ
数年前、仲間とツーリングの途中で飛騨高山の民宿にと泊まった。民宿は飛騨の伝統民家を民宿に改装して使っている。食事後に、雑魚寝しか出来ないような大部屋に案内された。そこで、民宿のご主人と話す機会があった。見た目60歳前後の若々しい感じである(本当の年齢はわからない)。

職業柄、旧い建物を珍しそうに見ていると、『これが夜這いの時に使う出入り口だったんだよ。』と話してくれた。縁側の引き戸に組み込まれた、小さな出入り口である。その縁側には、屋根裏部屋につながる傾斜はしごが降りてくるようになっている。また、縁側は障子で大部屋と仕切られていて、家人の目に触れることなく屋根裏部屋に入れるようになっている。

これは、社会規範が建築様式を決めている好例である。夜這い行為自体が村社会に共認されていたからである。現代であれば他人が勝手に進入できかつ、家人の目に付かないという構造は物騒でしょうがない。それくらい、村の成員各々が、共同体を基盤として信任関係にあったということであり、私権の対象物である家でさえも、村社会に開かれていたということだ。

そして、ご主人の若い頃はまだ存在した夜這いについての話になった。夜這いがあったころの若者は生き生きしていたこと。新しい社会規範の浸透によって夜這いがなくなってからは、街に女を買いに行くしかなく、不自由な思いをしたことなどを話してくれた。

そのとき、『今の若いもんにとっては、窮屈な世の中のなったなぁ』と実感のこもったひとこと!

この『窮屈』という言葉が印象的だった。というよりも、今まで自分たちは、過去の規範の重苦しさから解放された現代を生きていて、過去よりも自由を謳歌している、という染脳からリアルに解き放された感じだった。よく考えてみると、性自体が親も含めた村社会の中で開放されており、肯定されているということは、現代の個人課題でしかないそれに比べれば、はるかに活力源足りえただろうと思った。

これも支配観念に絡めとられていた証し。なんと、窮屈な思考をしていたことか。しかし今は、支配観念が共認される前提の貧困の圧力もなくなった。だから、事実を鮮明に浮かび上がらせる新理論さえあれば、このような事実をすんなりと捉えられる時代に入った。

性の再生のためには、今こそ歴史的に性と社会の関係を捉え、窮屈な支配共認から脱却すること。その上で、もっと充足できる性関係の共認を広めていける時代になったのだと思う。そこにでは、個人や家族を超えた社会規範の再生と、共同体の再生が不可欠であることは言うまでもない。

 
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新しい潮流1 社会捨象→不全捨象の充足基調(’70・’80年代)
新しい潮流2 私権統合の崩壊と社会収束の潮流(’90・’00年代)
新しい潮流3 社会不全⇒認識欠乏の蓄積
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
新しい潮流5 実現派は仲間収束から社会収束へ
新しい潮流6 解脱仲間から認識仲間への逆転
仲間圧力と認識仲間
新しい潮流は、新しい人間関係を必要としている
市場社会の、カタワの「集団」
本当は、「集団」に入ったのではなく、社会に出たのだ
古い人間関係は、影が薄くなるばかり
関係パラダイムの逆転1
関係パラダイムの逆転2
活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること
収束不全発の適応可能性の探索、その深くて強い引力
充足基調から探索基調への転換
'90年代の危機感と変革期待の行方
秩序収束と答え探索の綱引き
潮流2:戦後日本の意識潮流
潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束
潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流
今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる 
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(1) 共認充足が最大の活力源。'10年代はそれだけで勝てる
市場時代の共認非充足の代償充足⇒解脱(芸能)埋没
'70年〜現代 収束不全⇒本能的な秩序収束⇒課題収束⇒認識収束
現代〜近未来 対象への同化こそが新しい認識を生み出す
大学生が授業に出るのはなんで?
「やりがい」に潜む社会的欠乏
カリスマ 〜自分たちが共認できる価値観への評価収束〜 
仲間収束 2:一人でできない子
「働きたいから働こう」という意識
快美欠乏に替わって、認識の統合が最高価値になった。
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
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