岩井さんの「夜這い「オコモリ」(1166、1167、1168、1169)などを拝見すると、いかに現代の「性」に対する認識、社会的位置づけが明治初期までの頃と短期間に変わっているかが良くわかります。
男達からみれば「女性」は共有財産であり、女達から見れば男の性期待に応えることが女達の「課題」であったということですね。
先ずはこの事実を素直に受け入れることが必要だと思います。
今、昭和以降に生まれた私達からすれば、”性”は独占の対象であり、一対婚の制度は、経済構造の変化や、文字通り私権追及のために都合よい制度として浸透していったわけですが、さらに進んで私権課題が消失してしまった現代、一対婚の制度やそれに基づく性規範が意味を成さなくなるのもうなづけます。
今や社会共認の中身が「私権の共認=独占の共認」から「本来の共認=みんなの期待と応望」に変わった以上、私権時代の婚姻規範(独占規範)、婚姻様式(独占婚)は社会共認の実態に合わなくなり、放っておいてもどんどん崩れていくのは目に見えています。
したがって冒頭に述べたように、もともと”性”は男女の期待と応望そのものであったわけですから、”独占の性”から”相手の期待に応える性”へと自然に変わってゆくことでしょう。
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