西欧科学は狂っている
83990 科学(技術)発達の原動力
 
吉国幹雄 ( 52 鹿児島 講師 ) 05/01/14 PM02 【印刷用へ
新年早々に新聞紙上に発表されたのは、日本という科学立国の再建方針であり、国際競争力に勝つためには科学をもっと発達させなければならないという。教育においてはスーパーサイエンス高校の設置が文部科学省主導で推し進められているし、新聞紙上で「元気な中小企業」「世界に誇る科学技術」などが社会面でよく目にとまる。子供たちや読者に、日本の科学技術の質の高さと科学における現実突破の可能性を再共認しようとしている。「科学って本当に大丈夫?」という科学信仰が崩れつつあるにも関わらず…

これらの動きから感じ取れることは、やはり科学(技術)発達の現実的な原動力が国家主導であると同時に、科学(技術)発達はまた国民の期待(共認)の産物であったということ。

>科学技術の発達による快美充足の可能性(快適さ利便さ)の実現こそ、中後期の市場拡大の原動力である。<(30709、四方さん)
>技術革新が市場経済の制覇力の大きな柱になるにつれて、国家は科学を国家的事業として取り込むようになります。<(4090、本田さん)

人々の潜在的な快美欠乏や自我欠乏を幻想共認させて膨らませて顕在化させてきたのがマスコミという媒体であり、その顕在化した欠乏を充足(実現)してみせたのが科学(技術)。さらにその科学(技術)を幻想共認(科学信仰)させてさらに発達を遂げていった商品市場、という連関構造が見えてくる。結果的には市場時代といえども科学は人々の欠乏や期待(→社会共認)に応える形で発達したといえる。

この市場という充足実現の場はあくまでも代償充足の場にすぎず、そこに国家という統合機能と統合共認を抜きにしては成立しない。国家が「科学」を制度化して科学者を序列原理の上位階級(統合階級)に加えることによって、「科学」が序列闘争圧力(引力)を持ち、そのことがさらに科学を発達させてきたのだろう。そして、国家の統合共認は第二次世界大戦においてアメリカのルーズベルトからブッシュにあてた書簡(30991)で代表されるように、戦争圧力(闘争圧力)に抗する為の科学共認が顕著だろう。そして、戦争圧力が低下し貧困の圧力が低下した以降は、身分(学者の身分獲得)や私益(金儲けになる)実現のために統合共認に変わった。

しかし、豊かさが実現され序列原理が無効になり、私権圧力が全く働かなくなった現在、マスコミや国家が「科学を」と声高に叫んでも、新しい科学理論も科学技術もなかなか生まれない…これまでの科学に依拠する統合共認力が色あせてしまった。

にも関わらず、声高に叫ぶマスコミと国家の統合階級。
確かに、市場が閉塞の突破口を、これまで市場の拡大に深く関わってきた科学(技術)にしか拠り所を求められないマスコミを含めた統合階級の無思考性と切り捨てることも出来るが、彼らがそこまで国家の統合方針に科学を前面に打ち出すのは、本来の科学には現実突破の可能性(正当性)を感じるからだろう。

つまり、本来の科学とは、現実突破の答え(構造認識)そのものであり、弓矢の発明がそうであったように、本来の科学技術とは現実突破のための実現体そのものだろう。考えてみれば、市場時代の科学の発達は、根本の土台には貧困というみんな不全がベースにあったからこそだろう。
現在、人類史を通じてであったこともない未曾有の社会不全・収束不全を迎えている。科学や科学技術がその不全突破のためにあるのであれば、今こそ新しい科学の発達が必要とされているのではないのだろうか。「自分からみんな」の認識転換が必要とされ、みなの役に立つ科学こそが求められている。
 
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