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83816 快美欠乏、格差の旨み〜ブランド品=幻想価値の行方
 
吉川明博 ( 36 大阪 会社員 ) 05/01/09 PM05 【印刷用へ
昨今ブランド品を扱う大型店舗の開業が相継いでいる。

そんな折、電車内で、学生風の女性が持っていたカバンを見て、妻が囁いた。
「あのカバン幾らするか知ってる?エルメスのバッグで、100万円以上するんやで」
こういったブランド物に全く疎い、私はびっくり仰天。
「あれがバーキンとかいうやつか?」
自分もオヤジになったなぁなどと嘆きつつも、見た目には代わり映えのしないバックが、何で100万円もするの?興味の無い自分には全く理解出来ない。その理由と行く末を考えてみた。

>幻想共認(幻想への可能性収束)によって作り出された、市場商品の価格と一般農産物の価格との価格格差こそ、市場拡大のテコとも原動力ともなった市場の秘密の仕組みである。
>性幻想を高める為の毛織物やレースをはじめとして、私権圧力下の解脱回路(主にドーパミン回路)が生み出す快美幻想がはびこり、生活全般に亙って快美(快適さや便利さ)を求める快美欠乏が上昇してゆくにつれて、その幻想共認が作り出す価格格差をテコとする市場はどんどん繁殖してゆく。30709

振り返って見ると、こういったブランド品を持つことが一般庶民にまで広まりを見せたのは、貧困を克服し生存圧が消滅した70年以降、取り分けバブル以降の事だろう。それまで家族(氏族)を単位とした私権獲得競争は、序列原理の崩壊に伴い、個人を単位とした自由な私益獲得競争へと移行したが、生存圧力そのものが衰弱しているので、心底では、私益収束出来ていない。それら収束不全を背景に、みんなどうなん?といったみんなを羅針盤としたみんな収束⇒知名度収束へと顕在化した。
かつて舶来品に代表されるようにブランド品と言えば、その快美欠乏に基づく幻想共認を下敷きに、所有している事そのものがステイタスであり、格差の旨み具現化し、羨望の眼差しで見られたものだ。
しかし昨今のブランド品の流行は、幻想共認という点では同じでも、格差の旨みというよりは、みんなが知っている知名度収束、あるいはみんなが持っているから自分も欲しいという共認収束の流れ、簡単に言えば流行共認といったあたりにありそうだ。

しかしここで疑問が浮かんだ。
確かにバブルの頃まではそうだったと思うのだが、ここ数年何かが違う。そう、冒頭の事例にあるように、ブランド品への知名度にも大きな片よりがありそうな点だ。つまりそれを知っている人にとっては、大きな価値があるのだが、知らない人にとっては、何の価値も無い。なんでそんなもんが100万円もするの?といった驚きにあるように、特定の人達によるブランド品の内輪化(マニア化)が進行しているように感じる。言い方を変えればブランド品の細分化、分散化現象とでも言えるだろう。
共認によって成り立っている、ブランドがこのまま細分化、分散化が進み、大多数がそのブランドを知らないとなれば、やがてブランド共認そのものが成立しなくなり、空中分解を引き起こすだろう。そうしてやがてこの幻想を下敷きにした、ブランド信仰は衰弱、崩壊していく事になるのだと思う。

今、人々が求めているのは、何にせよ、これら幻想よりも、現実の「もっと確かな拠り所や中身」なのではなかろうか?そんな探索を始めた人たちが、確かな中身に収束し始めている。
この事は市場拡大の原動力となった幻想によって生み出された価格格差そのものの成立構造を覆し、市場はその拡大の原動力を失う一方、必要とされる実質価値を伴った「本物」のみが日の目を見る土台が出来上がりつつあるのだと、見ることが出来よう。
るいネットやなんで屋を始めとする共認運動を通して、「本物」の答えを供給し広めていく事が、そんな意識潮流を顕在化させていくとも言えるのだ。



 
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94796 快美幻想の先にあるもの 加藤弘行 05/07/19 PM09

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