子育てをどうする?
83088 子供を叱れない親が増えたのは、何で?
 
足立晴彦 ( 46 大阪 塾講師 ) 04/12/24 AM11 【印刷用へ
子供を叱れない親が増えたのは何で? 子育て真っ最中の母親だけでなく、孫のいるようなお年寄りからも選ばれるなんでや露店の人気お題であり、再度考えてみたい思う。

第一には叱る中身に自信がないから。現在の母親が子供の頃、つまり’70の豊かさの実現以前は、私権という統合軸が明確に存在したため、親は私権獲得のため、「勉強しなさい」等「〜しなさい」「〜してはいけない」と自信満々に子供に叱れた。子供もその必要性や目的を問うこともなく、言われたとおりに従っていた。

私権原理から共認原理に大転換した現在では、親は自分自身の子供の頃とダブらせて、子供を叱ってみるものの、思う通りにならない。逆に子供から「何で勉強しないといけないの」と聞かれても全く答えられない。

第二に子育ての場の変化が挙げられる。昔は祖父母が同居していたり、親戚が頻繁に来たり、また近所に恐いおじさんがいたり、大家族プラス地域全体で子育てをしていた。今では核家族化し、母子べったり関係が当たり前となった。上記の時代の転換から子供が自分の思う通りにならないという子育て不安が母親には常に存在する。子供を母親の思う通りに無理やり従わせようとすると、育児ストレス、ヒステリー、虐待とエスカレートする。逆に迎合しだすと、機嫌取りやかばうことにばかり気を使い、子供にとっては家庭は、楽チンな無圧力空間と化し、外に出たくなくなる。すると関係能力も身につかないし、引きこもりに至ることも多い。

このように考えれば、現在の家庭内では親が子供を叱れないのが普通であり、叱ることが必要なのではない。時代がどう転換し、昔と何が違うかを、「何でだろう」を親子でお互いに出し合いながら、共に考えたり、調べたりすることが必要なのである。

さらに昔と違い生産課題を包摂しない現在の家庭は、現実の圧力に晒されることもなく、教育機能を完全に失っている。その家庭内で親の旧い常識で子供を縛り付け、囲い込むことは子供をダメにするだけである。将来子供が社会に出る頃には、どのような時代になっているのか、そのときに何が必要なのかをみんなで考える。このなんでやのような場を広めて、みんなで新認識を身につけていくことこそが望まれているのである。
 
  List
  この記事は 2194 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_83088
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
「みんな」=「社会」のことを考える親の姿 「ブログ de なんで屋 @東京」 06/10/11 PM09
115103 叱れないのは magarimame 06/05/21 PM00
115100 叱れないのも当たり前 喜多雅子 06/05/21 PM00
115099 育ってないのは子どもではなくて親の方。 松下直城 06/05/21 PM00
115096 「みんなそうだよ!」「ヨソはヨソ、ウチはウチでしょ!」 茜雲 06/05/21 AM11
115029 「叱れない」っていうより「叱ることがない」のでは? にっすぃ〜 06/05/20 PM11
115028 キレル親が増えた!? 小川博 06/05/20 PM11
114528  叱る意味ってあるの? 米澤祐介 06/05/18 PM10
114399 「叱り」と「怒り」 高菜ごはん 06/05/18 PM05
93191 叱られる、という期待 家村和宏 05/06/23 PM02
92435 自信のない親 矢内春菜 05/06/10 PM01
子供を叱れないのは、何で? 「なんで屋<男塾>梅田」 05/05/10 AM02
89293 「母親」という肩書き 藤田公一 05/04/21 PM09
【学力低下問題】? 「なんで屋−驀進劇−」 05/02/10 AM01
85082 地震・かみなり・火事・おやじ ミスター 05/02/03 PM05
84522 親の存在不安 浦野てる代 05/01/24 AM08
83703 「答え」がなければ叱ることもできない。 松下直城 05/01/07 PM00
83139 教育から共育へ 匿名希望 04/12/25 AM04

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp