健康と食と医
83080 先行指標」なのか「体質問題」なのか
 
野村徹 ( 36 愛知 建築士 ) 04/12/24 AM01 【印刷用へ
>●「哺乳瓶問題」プラスチック製哺乳瓶からビスフェノールAが「溶け出すことがわかった」と横浜国大の実験結果報道(97/9 毎日新聞)82721

ビスフェノールAの安全性に関して下記のような報告がなされています。
報告者は、ビスフェノールA安全性5社研究会(出光石油化学株式会社他の企業体)です。

■2004/07/27  環境省が公表したビスフェノールAのほ乳類及び魚類に対する内分泌攪乱作用に関する評価結果についてのビスフェノールA安全性5社研究会の見解及びそれに関する一部のマスメディアの報道に対する見解

→メダカに関する試験結果。環境省の報告では、極めて高い濃度ではビスフェノールAはメダカの繁殖に影響があることが推察されるが、この濃度は環境中で観察される濃度よりはるかに高い濃度(約1000倍)なので、実際の環境中でBPAが魚類に有害影響を及ぼしている可能性は低いとしています。環境省の報告では、環境中で観察される低濃度域で、内部撹乱作用が認められたとの発表はありません。リンク

さらに

■2004/11/11 ラットやマウスの動物実験結果から、「ビスフェノールA(BPA)は低い濃度(低用量)でも人の健康(生殖や発育など)に影響することが推定される」との“仮説“の発表がありました。一方、「低用量作用は認められない」との実験結果の発表もありました。
このたび、BPAは低用量においても「人の健康に影響しない」とのレビュー結果の報告が、ハーバード大学リスク分析センターの専門家パネルよって発表されました。
私たちは、この結果を支持し、「BPAの低用量作用の仮説は否定され、BPAの低用量作用はない」と考えます。リンク

とあります。タバコの有害性を立証する実験と同様の矛盾を感じます。


なおこのサイトは「環境ホルモンは何が問題か」という考察を行っています。リンク

以下内容の一部です。

■精子濃度は減少しているか
イ)日本人の正常男子のものと思われる精子濃度については次のとおり5例報告されている。単位は百万/mL、括弧内は報告年である。57.6(1953) 、48(1957) 、106(1982) 、70.9(1984) 、78(1995) 。
ロ)最も重要なのは1984年の次の報告である。1975年〜1980年に、健康な自衛官254人より精液の提供を受けた。無精子症の1人を除く253人の平均精子濃度は70.9百万/mLであった。これらの自衛官の年齢は18〜36才であるが、年齢よる精子濃度の差はみられなかった。同じ研究グループが1995年に次の報告している。1985年〜1993年の間に83人の精液を採取した。この83人と先の報告の253人をあわせた平均精子濃度は78百万/mLであった。年齢による差がみられなかったこと、及びその後の追加調査でも減少傾向はみられなかったことから、日本人の精子濃度は減少していないといえそうだ。

■ヒトの健康への影響
唯一気になるのは、花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患が増加していることである。しかし、この原因はどうやらウイルス、細菌、寄生虫などとの共生を絶ったことにあるらしい。アレルギー性疾患が最近急に増えているのは、日本人と旧西ドイツ人であり、旧東ドイツ人ではこれらの病気は全く増えていないという。免疫学的に説明できるだけでなく、現象面でも説得力があるように思う。もしこの説が正しければ、アレルギー疾患が増えたのは、環境や衛生面を改善したことに対する副作用ということになる。


精子減少の問題は、少子化の問題とあわせてその信憑性はかなりあったように思う。またアトピー性皮膚炎などは、シックハウスの問題とあわせて社会問題としてのインパクトは大きかった。

環境ホルモンの問題も、アレルギーの問題も、その現象が「先行指標」なのか「体質問題」なのかでそのとらえ方は、大きく異なる。少子化は社会不安、男女・婚姻不安、セックスレスなどによる社会外圧の変化による結果、アレルギーは過剰なほどに、環境や衛生面を改善したことに対する副作用、というように捉えれば、それは社会全体の変化から生まれた「先行指標」であり、だからこそ、みんな課題としてその原因を解明する方向に向かうのだと思う。

しかしまだまだこの問題については不明なことが多すぎる気がします。「先行指標」としてみんながその問題に同化できるような、原因構造の解明が不可欠になると思いました。
 
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83267 何万年も待ってはいられない 前山修司 04/12/27 PM10

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