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82897 夜這い婚の類型
 
井上緑 ( 23 神戸 OL ) 04/12/20 PM10 【印刷用へ
夜這い民俗は、村ごとによって習慣が違ったが、「総当り型」「若衆型」に、二大別される。もう少し詳しく調べてみると、その中でも複雑な類型が発生していたことが分かった。

☆「総当り型」⇒性的年齢に達した者なら、男女ともに自由に交渉してもよいとするもの。

●「全解放型」・・・娘・後家をはじめとして、いつでも、誰のところに行ってもよい。
●「不在解放型」・・・配偶者が留守のときに限る。
●「嬶解放型」・・・嬶の場合に限る。
※嬶というのは、主人の女房。後家というのは、主人に死別した嬶。

自分(主人)が不在の場合に、妻などに対する夜這い阻止しようとする「防衛型」もある。
●「禁止型」・・・妻の兄弟とか、親類の信用できる男に警備を頼む。
●「交替型」・・・気心の分かった男に警備を頼むかわりに、その男が留守のときは自分が警備にいく。
●「交換型」・・・「交替型」を頼む関係の夫婦間などで、お互いに女房を解放し合う。

☆「若衆型」⇒娘、後家、下女など、つまり嫁と嬶、婆を除くすべての女を、若衆が管理するというもの。

「割替式」(最も厳しい類例)
●「定制型」・・・正月の初会合にくじ引きその他の方法で、若衆と娘との組合せを決め、決まると一年間は変改しない。
●「変替型」・・・基本は「定制型」だが、少しは事情によって変改を認める。男女双方の希望で、組合せを交替するとか、一定の期間を経て組替えるなどの方法。だいたい無償だが、酒一本、二本というような有償の場合もある。

「自由式」(最も普通な類例)
●「随意型」・・・完全解放の早いもの勝ち。喧嘩が起こることもあった。
●「予約型」・・・男女双方が唄合戦をして勝敗をつけたり、合意の上で約束したりする。そのかわりに失意の者も出て、若衆組や娘仲間の幹部たちが苦労することになった。

●「巡訪式」・・・「割替式」と「自由式」の中間様式。若衆が順次に定められた娘の家を廻る。娘から見ると、訪れてくる相手によって楽しい夜もあれば、苦しみの夜もあることになるが、これは意外に分布の広い様式。公平という考慮が喜ばれたのかもしれない。

●「見習型」・・・若衆の先輩のお供をして草履を持ったりする「見習い」を二年ぐらいしているうちに、その先輩や娘たちが相談して適当に手引きしてくれる。親が若衆頭に頼んで手引きしてもらう例もある。

●「独立型」・・・見習修行中に、先輩の話をよく聞いておいて、単独で好いた女の家へ忍び込む。ほんとうの「夜這い」といえるのかしれない。主として「自由式」の村で行われた。「割替式」「巡訪式」の村では、だいたい若衆入りすると自動的に相手を決められたり、順番が廻ってくると女の家に行けばいいので、忍び込みの苦労はしなくてよかった。

参照:「非常民の性民俗」 赤松啓介
 
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