原始共同体社会
77823 交叉婚で発生した男の自我
 
岡本誠 ( 51 兵庫 経営管理 ) 04/09/13 PM11 【印刷用へ
交叉婚は、「男発の独占の性関係」とは言えないが(母系氏族間の交叉総偶婚)、結果的には女の性的商品価値=婚資が登場したのは確かで、それは交叉婚の成立及びそのシステムに解く鍵があると思われます。

この間の投稿にあるように、同類闘争圧力の高まりを受けて、集団統合力を強化する必要から、氏族毎の全員婚である兄妹婚から交叉婚に転換したわけですが、具体的には遊牧部族からの戦争圧力を受けて、農耕部族は部族連合(=軍事連合)を組んで防衛する必要があったからではないだろうか。(一方の狩猟部族も同様の圧力を受けて勇士婚に転換した。)

1万数千年前に洞窟から地上に出た人類の婚姻様式は、それまでの全員婚(チャネリング)を踏襲しただろうし、1万年〜8000年前頃には集団規模の増大から氏族単位に分割したが、やはり氏族毎の全員婚(兄弟婚)を踏襲した。
この頃既に西アジアでは農耕・牧畜も始まり、8000年前頃には最初の遊牧部族も登場し、6000年前頃には草原地帯にひしめき合い初期掠奪闘争の痕跡もある。(5247752832

遊牧は、小集団(小氏族)で移動する男原理の父系闘争集団であり、草原をめぐる縄張り侵犯から小競り合いは頻発したであろう。特に乾燥期は激化し、防衛軍を結成し部族連合に組み込む(服属させる)ことで止揚した。この闘争(戦争)圧力は農耕・牧畜部族にも伝播し、それに対抗する必要から部族連合⇒交叉婚に転換したのではないだろうか。

交叉婚はかなり複雑で(77613参照)、例えば部族内にA〜D氏族があるとして、A男とB女、C男とD女の組み合わせとした場合、問題はその子供で、B女の女の子供が生殖年齢(13歳頃)に達した時、そのままA男が相手なら父親との関係になり交叉婚の原則に反する。だからと言って子供だけをC男に組替えると、その氏族の女全員の原則に反する。

そこでB女の子供が全員生殖年齢に達して、C男に組替えたのではないか。つまり生殖寿命を40歳くらいとすると「生涯2回婚」になり、さらにその次はA男というように繰り返す。(アボリジニの老若交代の2回婚(77088)はその名残であろう。)

問題はもう一つ、子供全員が成人し新たな組み合わせになるまでの待ち状態(=空家状態)の発生がある。女の空家状態は、最大の存在理由欠乏が宙に浮いてしまうので深刻で、族長の集中婚に組み入れて解決したのではないか(初夜権の起源)。しかし男の空家は、モグラ以来首雄以外の男の性は封鎖されてきたことから放置されたのではないか。

この男の空家状態から性欠乏が増大し、女の性的商品価値=婚資が発生した。加えて、男の通過儀礼等に伴う序列評価も自我欠乏を増大させ、戦争圧力から集団自我も発生し、次第にチャネリングが不可能になって、自我の性が混入していった。ここに男の自我発の性の萌芽を見ることができるように思う。
 
  List
  この記事は 77613 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_77823
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
150040 交叉婚が自我を誘発って本当? 矢野聡子 07/04/22 PM05
146675 交叉婚が自我を誘発って本当ですか? 塩貝弘一郎 07/03/08 AM01
98813 兄弟婚から勇士婿への転換 松尾茂実 05/10/09 PM06
98303 空家状態が男の自我を生起させたとは言い切れない サムライ\(`O´θ/ 05/10/01 PM10
92280 贈り物と交叉婚のセットが、婚資の起源では? 冨田彰男 05/06/08 AM01
91924 交叉婚を保てなくなってしまった原因こそが、自我の性の萌芽の親玉。 東努 05/06/02 PM08
90008 性の再生は社会統合様式が先か婚姻様式が先か? 細田卓司 05/05/04 AM03
89990 「集団自我」の中身は? 森政子 05/05/03 PM11
89970 現代版・集団形成の可能性 小林有吾 05/05/03 PM09
89413 なんとかしようとは思わなかったのだろうか 白子佳世 05/04/23 PM09
89357 女と物の交換システム 橋口健一 05/04/22 PM02
87974 男の自我が掠奪闘争を介して私有婚へ 田中素 05/03/26 PM11
87639 男の自我の登場〜縄張り闘争の罠 山澤貴志 05/03/20 AM00
87010 同類圧力だけでは男の自我は封鎖できない? 平野令 05/03/08 PM11
86861 一妻多夫の紹介。 中野恵 05/03/06 AM01
79843 新しい婚姻史 集中婚はどのようにして生じたのか? 細田卓司 04/10/26 AM01
78468 人類の婚姻史〜採取時代をどう見るか? 田野健 04/09/27 PM10
78342 オーストラリア原住民カミラロイ族の交叉婚 冨田彰男 04/09/24 PM07

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
素人の社会活動19 素人と創造
素人の社会活動26 創造の資質
素人の社会活動27 実感投稿と現象発掘が会議室の生命
素人の社会活動28 現実を対象化する=思考する
素人の社会活動29 私権時代の歪んだ思考(主張・説得・議論)
素人の社会活動30 現実を対象化する思考=事実認識
素人の社会活動33 投稿様式の模索
素人の社会活動34 創造(=探求)のパラダイム転換
素人の社会活動35 素人こそ創造者(論点の整理)
素人の社会活動36 探求思考と説明思考⇒表出(会議と投稿)のパラダイム転換
素人の社会活動37 表出規範(or思考規範・表現規範)
共認革命6 チンケな運動(要求運動の終焉)
共認革命7 錯誤の根は、古い武力闘争のパラダイムにある
共認革命8 運動信仰を捨てて、共認革命を
共認革命9 強制共認と発信階級の犯罪
共認革命10 新しいまつりの場、それがネットであり、統合サイトである
共認革命11 皆が次々と投稿するだけで、まつりの引力が生み出される
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
「現実=自分自身」は事実認識(構造論)の核心部
「まず実践」の問題性
市民という言葉の欺瞞
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
旧観念と新しい概念装置の決定的違い
「旧観念無用」という認識が生み出す気付きの深さ
頭で理解しただけでは、新理論は使いこなせない
潜在思念発の大きな方向と大きな構成
外向収束⇒認識収束に応える『認識形成の場』
『認識形成の場』こそ、新しい社会統合機構の中核である
ゼロから、自分たちの『場』を作る活動
認識形成の『場』を構築することこそ、真の社会活動である
『必要か、必要でないか』という真っ当な判断の土俵が出来てゆく
必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆく
新しい可能性が顕在化するとは、どういうことか?
新しい『場』は、古い評価指標の洗礼を受けて、はじめて顕在化する
大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく
大衆には、運動を立ち上げる余力が無い→余力を与えられた悪徳エリートが支配する社会
金貸し勢力の弱点と自滅の構造
金貸しと悪徳エリートに止めを刺すのは?

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp