これからの暮らしはどうなるの?
72731 「言葉」は現実把握のため、そして共認形成のために存在する
 
蘆原健吾 ( 30代前半 大阪 出版 ) 04/05/29 PM10 【印刷用へ
>つい「言葉」と聞くと観念機能と結びつけて考えてしまいますが、「話す・聞く」が共認形成そのものですから、もともと「言葉」は共認のために作られたものではないかと思います。(72439 『音読と共認回路』斎藤さん)

この文章を読んで、あたりまえのことですがあらためて重要なことに気付かされました。

ある人から「言葉」が発せられる前提には、「相手(みんな)に何かを伝えたい」「相手(みんな)と実感(潜在思念)を共有したい」という強い欠乏が存在します。私なんかも、貧弱な語彙と稚拙な構成を自覚しつつも「何とかして伝えたい…共感しあいたい…」という想いに突き動かされて、言葉を紡ぎ出そうとあがいているような気がします。

>「欠乏意識(内的認識機能)と状況認識(外的認識機能)を結ぶ実現回路」を協働者に開きだして相互乗り入れしていくことが、共認形成の最たるもの(72576 小圷さん)

それぞれがその個体なりに外圧を認識して対応しているだけではまったく適応できない状況が人類にはありました(実現論1_6_00)。その中で人類は、互いの潜在思念(不全や感情)を共有し、外圧認識(現実)をすり合わせ、状況突破のための課題を、相手(みんな)と共認していかなくては生きていけませんでした。

表情や身振り手振りで、ある時点の感情は共有できるかもしれません。しかし、時間・空間を超える外圧状況や課題について具体的に情報を共有しあうには、様々な対象を抽象化して概念区分し表現する手段が必要になります。それが、精霊観念に音をあてはめた「言霊(ことだま)」=「言葉」の原点だったのでしょう。その意味で、「言葉」は、人と人との同化を、そして人と外圧(自然)の同化を強化する手段として発達してきたのです。

ところが、私権時代になり、「言葉」は別の次元での使い方がされるようになってきました。徴税、戒律や法律といった強制的な秩序形成のためです。「言葉」を用いて互い(みんな)の共認形成を図るのではなく、ごく一部から大多数へ一方的に行われる強制共認に「言葉」が使用されました。これは現在でも形を変えて続いています(9560『共認革命9 強制共認と発信階級の犯罪』岡田さん)。

一方で、現実を共認し変えていくための道具としての言葉(観念)を剥奪された人々は、非現実を共有しとりあえずゴマかすための言葉群(観念)を生み出します(20354『観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考』四方さん)。そして、その言葉(観念)が、人間の認識を逆規定し、人間の豊かな潜在思念や充足可能性を封殺し(性の抑圧など)、人間同士の自在な共認を阻害するようになりました。さらにそれは、非現実の観念自体に至上の価値を置くようになり(ドグマ化し)状況が変化しても固定したまんまの言葉体系(イデオローギー)を形成。その結果、(例えば米とイスラム社会のように)決して妥協しあわない複数の共認域同士の深刻な対立を生み出しました。

「言葉」は現実を把握するため、そして共認しあうために生み出されたはずなのに、現在その「言葉」を、他者を攻撃し貶めるため、差異を誇張して共感を阻むため、単に己の優位を示し自我充足するため、自己欺瞞や自己憐憫のためにも用いている。これは、わざわざ不適応のために言葉(観念)を使っていることと等しいのではないでしょうか。

私権時代に生まれた旧い「言葉(観念)」を捨て(そんなレベルの低い、かつ誤った言葉・観念の使い方はやめて)、適応していくため=「現実をあるがままに捉えて相手(みんな)と共認形成していくため」の本来の「言葉(観念)」を取り戻し、それを使いこなしていくことしか突破口はないのだと思います。るいネットのトップページにある『旧観念無用』には、実はそのような意味も含まれているのかもしれないと思いました。
 
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