これからの暮らしはどうなるの?
72529 文字から言葉への回帰は新たな進化の前章
 
田野健 HP ( 42 東京 監理 ) 04/05/25 PM10 【印刷用へ
>つい「言葉」と聞くと観念機能と結びつけて考えてしまいますが、「話す・聞く」が共認形成そのものですから、もともと「言葉」は共認のために作られたものではないかと思います。(72439)

「話すー聞く」を読んで以前私が読んで採取時代版に投稿したアイヌの口承文化(42510)の話を思い出しました。文字を持たない彼らは驚くほどの記憶力を持っていたといわれています。

>アイヌは文字をもたなかったためか、かえって優れた記憶力の持ち主が多くそのおかげで神話や民話などの口承文芸が語り継がれていった。(「古事記」が蝦夷と思われる稗田阿禮という28歳の男性1人が暗礁する「先代旧辞」を編纂したといわれているが信憑性のない話でもない。)
アイヌ文学研究者の中川裕はアイヌの卓越した記憶力を認めつつも、数多くの韻律的「常套句」と「主題」が即興的に組み合わされるアイヌの口承文芸が、丸暗記の産物でない事を解明している。だから「わずか10分程度のあらすじを聞いてそれを1時間以上もかかる長大な話として語る事ができる」らしい。アイヌがイオマンテやその他の行事があって集まると、年配の女性が自分の体験した事をヤイサマネナとして詩文化し、即興で歌う事があるが、アイヌの人は概して物語が好きである。語るほうも聞くほうも炉を囲みながらすぐ物語の世界へ入っていく。
〜町田 宗鳳(縄文からアイヌへ)

口承文化は当然ながら文字による記録ができません。この事が実は人間の記憶能力に大きな影響を与えているのではないでしょうか?
その意味でアイヌの記憶のメカニズムは非常に共認に近いところにあるように思います。彼らが用いる数多くの「常套句」「主題」というものの中身まではわかりませんが、おそらく認識世界の根概念のようなものなのではないでしょうか?それをいろんな事象に当てはめて物語りにしていく。伝承されるのは物語でもその奥にある「観念」こそが伝えたい中身だったのだと思います。

翻って、文字はまさに私権時代に共認とは全く関係ない地平で登場しています。(シュメール人の象形文字発)それは所有ー記録の必要性から始まり後に徴税へと利用されていきます。

こう考えると文字による伝承とは私権時代特有の方法であるように思います。文字文化の大衆化によって記憶能力は圧倒的に低下したのではないでしょうか?
共認不全の現在、人々は意識下で言葉への回帰をしているようにも思えます。最近の活字離れ、読書離れも決してこれらの事と無縁ではないように思えてきます。

人類は文明の進化を果たすと同時に多くの機能を失ってきました。

>音読のほうはそれに加えて「話す・聞く」という過程が加わるという違いがあります。そこで、一般的には発話という運動と聴覚による感知が加わることによりより複雑な処理を脳が行っていると考えられます。(72439)

音読という行動方針。非常にシンプルだけどすごく期待できます。
「話すー聞くー伝える」・・・それは原始の社会が築いてきた口承文化のスタイルに一旦戻っていくだけなのかもしれません。

しかし、これによって我々が失ってきた共認機能、人類本来の記憶能力は少しづつ取り戻せるのではないかと思います。そして少し遅れて初めて文字の新しい使い方が登場してくるのではないでしょうか?
 
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