心の本体=共認機能の形成過程
71471 共認機能の基底部に不全感がある@
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 04/05/06 AM02 【印刷用へ
NHK教育テレビの「いまを生きる力」の中で、人気作家の五木寛之氏は次のように述べている。
 
>戦後の日本では、明るく前向きに生きて行く事が善しとされ、反面、悲しむこと、泣くことはマイナス思考としてしりぞけられてきた。本当にそうなのだろうか?と五木さんは問いかける。人は本当に悲しいときは、悲しい歌を歌う方が癒されるものだ、と。親鸞の“和讃”には、人びとよ悲しんで泣けという一文がある。悲しむこと、泣くことといった、私たちがしりぞけてきたものの中に、乾いた心をうるおす力があったのではないか。それは仏教でいう「慈悲」の「悲」にあたる感情である、という。リンク

流石に時代の感性を鋭く捉える人気作家だけあって、慧眼であると思う。しかし同時に「構造認識」が無い事によって、単に心のあり様を変えるだけ(=心の慰み)に陥りかねない限界も持っていると思う。

実現論で明らかにされているが、共認機能はそれまで「こころ」と呼ばれていた、曖昧な領域を明確に構造化したものである。
>不全課題を抱えて依存収束した弱オスたちは、依存し合う中から、「どうする?」⇒「どうにかならないか?」と可能性を相手に求め、互いに相手に期待収束してゆく。こうして、依存収束⇒期待収束し、互いに相手を注視し続ける内に、遂に相手も同じく依存し期待している事を発見し(探り当て)、互いに相手の課題=期待を自己の課題=期待と同一視して理解し合うに至った。自分以外は全て敵で、かつ怯え切っていた原猿弱者にとって、「相手も同じく自分に依存し、期待しているんだ」という事を共認し合えた意味は大きく、相方に深い安心感を与え、互いの不全感をかなり和らげることが出来た。この様に、不全感を揚棄する為に、相手の課題=期待を自己のそれと重ね合わせ同一視することによって充足を得る回路こそ、(未解明だが、おそらくは快感物質βエンドルフィンを情報伝達物質とする)共感回路の原点である。(実現論1_4_05

その後この共感回路と期待応望回路を下敷きにして喜怒哀楽等の感情(表現)を人類は発達させていく事になる。
つまり、心=共認回路の基底部には不全感(苦しみや非充足感)がある。逆に言うと不全感こそ心の駆動力である。しかもそれは相手=みんなの共通した不全であり、みんなの不全を対象化することが無ければ心はは十全に機能しない事を意味する。
 
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