共認心理学:現代の精神病理
70279 「母性喪失」から「母性再生」へ
 
大木康子 ( 55 山口 主婦 ) 04/04/13 PM01 【印刷用へ
 >それに対して、親和欠損や親和不足からの囲い込みなど、現代特有の子育て問題を考えるとき、本能・共認と直結しない旧観念の影響の大きさを改めて痛感させられます。たとえば、十分な親和充足を与えられる母親とは、現代的意味での知的といわれる女性とは対極にあると思います。(69447 本田さん)

 現代の若者の特有な現象は、確かに乳幼児期の子育てにおける母親の問題が、大きく影響していることは否定できないと思います。20代〜30代の世代の母親と言えば、まさに団塊の世代です。自分自身の子育てを振り返っても、当時の子育てはそれまでのあり方への疑問から、新しい子育てを模索していたように思います。人々にとって昔は「子は授かりもの」であり、出産はみんなで祝い、みんなで育てるもの。授乳ができない母親代わって、だれかれの区別無くできる女性が代わって授乳もしていました。しかし、戦後、急速な民主主義の流入とともに、男女平等となり、自ずから高学歴の女性が大半を占めるようになりました。そんな中で、出産・子育てに対する女性の意識も大きく変化したのはむしろ当然ではないでしょうか?それに拍車をかけるように、高度成長期から核家族化へ。子育てはもはや自然な「授かりもの」ではなく、バースコントロールによってしっかりと計画された人為的な「子はつくるもの」に、更には「つくる・つくらない」も自由な選択に任されるようになったわけです。

 それによってそれまでの出産・子育てが本能・共認に直結していたものから、この時代からの子育ては、徐々にそれらに直結しないものになっていったように思います。女性にとっての母性は誰しも本能として自然に備わっているはずのものですが、観念が入ってくることにより、本来の母性が喪失していくのではないでしょうか?当時の育児書に「スポック博士の育児書」があり、出産祝いに贈るのが新しい流行でもありました。因みに、私自身この育児書を友人から贈られた一人でした。そこには、それまでの本能や祖母・母から受け継いだ子育てではなく、高度に管理された「知的な新しい子育て」が書かれていました。個性や自立が何よりも重要だと教えられた世代の母親にとって、多くはわが子もそのように育てることが必要だと信じて疑いませんでした。そのために、「一人で寝かす、添い寝はしない」「泣いてもすぐに抱いてはいけない」など、乳幼児期にこそ必要なスキンシップが欠落し、親和欠損・親和不足をもたらしてしまったのだと思います。

 >そろそろ、旧観念に依拠した子育て規範から脱皮し、本能・共認回路と整合した子育て規範をみんなが必要とする時代になってきたのだと思います。それを追求することが、先進的という時代に変わってきたのでしょう(同上)

 本田さんが仰るように、これまでの子育てが、いかに旧観念に依拠したものであったかを痛感しています。そして、女性にとって旧観念に毒された知性によって本能・共認が対極へと押しやられ、「母性の喪失」を招いてしまったことに気付かなければなりません。今こそ「母性の再生」が必要な時代です。子育てには昔から連綿と受け継がれた知恵は必要でも、旧観念に依拠した知性は無用です。母親はまず本能を取り戻し、乳幼児期には理屈ぬきでスキンシッップが必要なことを知るべきです。またそのためには、聖域と化した密室空間での「自分の子」といった子育てではなく、地域や共同体が再生され、「みんなの子」として育てていく環境作りが急がれることは言うまでもありません。 
 
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