先日、図書館で見かけた年配の女性の話です。
閲覧室の私の隣の席で資格試験の勉強をしていたのですが、その教科書のタイトルは「年金アドバイザー3級」と言うものでした。
正直私はそんな資格が存在すると言う事自体、全く知りませんでした。
3級と言うからには2級と1級も有るのだろう。一体何の資格なのだ?と思いました。
調べてみると、金融機関などで必要となる、年金に関する顧客対応や専門知識、応用知識を検定する試験のようです。
初めて見聞きする試験なのでそう歴史は長くないと思います。
こうした試験が登場する背景には、現代の年金に対する関心の高さが有ると思いました。
一方で、年金制度というものが、専門の資格まで設けなければならないほど複雑で不透明な物になっていると言うことに違和感を感じました。
この年金アドバイザーなる業務が出現した背後には、奇怪な年金制度の中で、如何に少なく年金を納め、如何に多く年金を受け取るかと言う方法を手引きして欲しい、という個人の意識が有るのだと思います。
そしてその裏には、年金制度と、それを運用する国に対する強い不信感が有るのだと思います。
前述の図書館で勉強していた女性は、金融関係の方なのかどうかは分かりません。あるいは仕事のためでなく、自分自身の為に資格まで取る勢いで年金の勉強をしているのかもしれません。
年金制度への違和感、不信感は、もう国民全体が抱いている感覚だと思います。
「年金アドバイザー」という資格の裏に、こうした違和感、不信感を見る思いがしました。
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