昨年あたりからずいぶん長いことマスコミで取り沙汰される年金に関する特集や記事。同じようなことを繰り返しているように思います。
年金に関するマスコミが発する情報として主なものは、
・年金制度が破綻していることについての危惧を促すもの。
・掛け金が値上がりすることについての不満を並べるもの。
・今後どうやったらより多くの年金を手にすることが出来るかを紹介するもの。
大きくはこれくらいにまとめられると思います。
僕の記憶にある限りでは、上記の記事や特集において「どうやったら世の中が良くなるか」ということは一切提示されたことはありません。
それどころか、これらの情報に共通するのは「自分という個人が今後どうなっていくのかを危惧し、既存の年金制度の中で自分が如何に美味しい思いをするか」のみに焦点が当たっているということです。
「福祉」が本当に助け合い精神から生まれたものであれば、こうはならないでしょう。まさに「自分さえよければ良い」という言葉そのものが記事や特集になったのだと解釈できます。
同時にこれは、「自分さえよければ良い」という意識が「福祉」という聞こえの良い観念をまとってマスコミによって大量にばら撒かれている事実でもあります。「自分さえよければ良い」という意識が気付かないうちに増長され植え付けられているのです。
強制加入である年金制度に相乗りするかたちで、逃れられない意識としての「自分さえ良ければよい」を突きつけることは二重の犯罪行為と言わざるをえません。
>「僕はテレビを見ているとはっきりと怒りを感じる」(68054)と。
年金制度を考えるにつけ、それらを何か遠いことのようにしか(どうでもいいようにしか)感じられない、では済まされません。このような傍観者意識から抜け出さなければ(上記のように「怒り」をおぼえるほどにならなければ)、年金問題は解決しないし、マスコミの垂れ流す情報の呪縛からは抜け出せないのだと思いました。 |
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