共認心理学:現代の精神病理
65224 “あたりさわりない存在”
 
佐藤祥司 ( 41 北海道 建築士 ) 03/12/05 AM02 【印刷用へ
無表情の若者が増えてきたという現象の一方で、いつでもニコニコ顔の若い男もちらほら見かけます。

彼らの特徴は、>「根拠のない明るさ」(65160)というような注目を引く笑顔ではなく、その場の雰囲気を壊さないような控え目な、まるでその場の雰囲気を楽しむ“女の子のような笑顔”。そして、自己主張や反論はほとんどせず、その場になんとなくいるのが心地よいという感じで、周りの人にも全く警戒心を抱かせない。しかし、時間を掛けて色々話してみても、なかなか言葉が出てこない。感覚的なことを表現することも苦手。こちらが発信したことも伝わっているのか、いないのか?まるでブラックホールのように吸い込まれて、それに対する言葉が返って来ない。故にお互い共感・共認充足がさっぱり得られない。よくよく見ると笑顔の表情がいつも同じパターン。というもの。

彼らは一体どういう人種なのか?“無表情”の若者について議論されているように、旧観念捨象+仲間充足基調なら「可能性のある言葉」に飛びついてくるはずでは?

露店で出会った無表情な若者も、いろいろ話していくと表情も緩み、精悍な感じに変り、話す言葉も(とても18歳とは思えない)しっかりした受け答えにビックリしたこともある。他の露店でも同様の事例を多く聞く。“可能性のある言葉に響かない”ということと“言葉(観念)を失った”ということがどうも無表情な若者との違いのようだ。

笑顔の彼らは、>圧力の衰弱した密室家庭における母親の囲い込みが年々ひどくなる事による「親和不安」の刻印 (65019)が前提としてあり、母親の旧観念発の言葉が共認充足を阻んできたばかりか、彼らの発信しようとする行為を受け止め評価する(褒める)ことなく、悉く粉砕してきたのではないかと思われる。

>本来、より共認を容易にする為に生まれた「言葉」のはずが、今では言葉だけが一人歩きし、かえって共認の邪魔にさえなっているのではと思ったりもします。 (65060)

彼らに残された充足は、人に受入れられてもらうことで得られる“親和充足”だけで、その期待・応望の伝達手段が“笑顔”。それが同時に圧力回避→不全捨象にも繋がる。(←笑顔の人を必要以上に攻撃しない)そして言葉による共認充足の感覚も分からないまま、なんとなく場の雰囲気を楽しむという感覚による充足感を求めるようになったのではないか。これにより実現(共認充足)不可能視の意識が刻印されてしまい、笑顔の硬直化が進んだのではないか。

充足基調の仲間世界でもこの手法は“あたりさわりない存在”として受入れられ、仲間圧力も回避できてきたに違いない。

このように見ていくと、この手の若者は、何がしかの旧い観念に執着こそするが(そうしなければ意識のよりどころが無い)、発信し悪影響を及ぼすということは無い、まさに“あたりさわりない存在”だが、この自閉(→現実逃避)の意識からの脱却はかなり難しいように思える。旧観念が新しい可能性のある潜在思念や観念の蓋をすることは解っていたが、ここまでくるとかなりの危機感を覚える。
 
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