思考革命:問題意識発から可能性発へ
59310 生存圧力下の序列原理から解放された人類
 
土山惣一郎 ( 45 山口 デザイナー ) 03/07/29 PM01 【印刷用へ
 北村さんがMsg58792でおっしゃっている『私権時代の身分序列は一般哺乳類の序列本能を下敷きにしている』というのは、実に達見だと思います。

 考えてみれば、ライオンなどもエサを喰う順番(=誰が一番おいしいところにありつけるのか)は本能レベルで決着をつけていて、そのルールに基いて集団秩序を維持しています。当然、個体間の相対優位を巡る闘争を四六時中かつ無限に繰り返すのでは、集団の秩序が維持できないのは生物である限りすべてに共通する訳で、やはり人間の本能にも、敗退本能と序列本能はセットされているはずです。

 人間の場合は、これらの本能を“追共認”したうえで、肩書きや指揮系統という身分観念をさらに共認して身分制度などの私権ルールをつくってきたので、この身分序列が、実は本能原理そのものであるという点が見えにくくなっていますが、私権時代の人類とは、そもそも貧困≒飢えの圧力という生存圧力が主圧力であるという意味では、動物と同次元にあったと捉えていいと思います。つまり、生存圧力が強く働く場では、人類と言えども、本能原理(=序列原理)に司られて、社会生活を営んできたことになります。

 '70年の貧困の消滅とは、豊かさの実現という意味よりも、飢えの圧力=生存圧力からの脱却という意味の方が遥かに大きかったと捉え直せば、私権闘争≒序列闘争に誰も収束できなくなった昨今の状況も、本質的には、この生存圧力の衰弱⇒序列原理の崩壊という論理で理解するのが正しいと思います。

 『生存圧力下の序列原理』から『同類圧力下の共認原理』へ・・・。これが、私権統合の行き詰まりと共に『みんな期待』や『当事者欠乏』が顕在化しつつある究極の原因だとすれば、北村さんが指摘されているとおり、現在は人類史上でも稀有のパラダイム転換期に他ならないという視点には、まったくもって同感です。
 
  List
  この記事は 58792 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_59310
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
59705 私有婚と序列原理 吉国幹雄 03/08/09 PM04
59519 生きとし生けるものは、全て外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。 山田太郎 03/08/05 AM01
59459 「みんな」の期待を捨象した旧観念の活動 太刀川省治 03/08/02 PM11
59436 本能原理(力の原理)から共認原理へ 石橋直樹 03/08/02 AM00
59429 誰もが求める秩序共認 近藤文人 03/08/01 PM11
59428 私権獲得は「身分」という観念に集約されていた 浅野雅義 03/08/01 PM10
59383 当事者欠乏に目覚めた共認社会への転換 山名宏明 03/07/31 PM00
59347 貧困の消滅って実はすごい転換期だったんだ! 三輪歩未 03/07/30 PM04

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
自我ではなく、共認こそ原点である
自我とは?(フロイトとラカン)
個人主義<=>全体主義 と、利己主義<=>利他主義
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
市民という言葉の欺瞞
自然法、基本的人権とは何か−1
自然法、基本的人権とは何か−2
自然法、基本的人権とは何か−3
前夜の意識状況3 無用となった感応観念(価値観念や規範観念)
構造認識の現況1 否定意識や自我観念から脱却できない近代人=現代人
構造認識の現況2 特権知識階級の商売道具と化した「構造認識」
構造認識の現況3 既成観念の全的否定
観念パラダイムの逆転1 現実捨象の倒錯観念から、観念捨象の現実直視へ
観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考
観念パラダイムの逆転3 現実とは、人々の意識である
「現実=自分自身」は事実認識(構造論)の核心部
新たなグランドセオリーとしての実現論1−グランドセオリーとは何か
新たなグランドセオリーとしての実現論2−傍観者、あるいは引きこもりとしてのアカデミズム
近代思想は宗教と同根
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
若者が実感できる『旧観念』
「何でだろう?」を封印してきた価値観念
同化に不可能視はいらない
相手の感情を前提にしたら『権利』など崩壊する

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp