5902 貨幣の問題をめぐってD
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 01/07/09 AM03 【印刷用へ
 今後の社会の同類闘争は共認闘争とりわけ評価闘争が主軸となると思われるが、そこではこの条件として、万人が認める明快な価値軸=評価軸つまり価値観念が不可欠となる。
 
 この観点で見れば、実は貨幣は、社会統合の為に価値観念化された評価指標の最初の実現体である、という意外な事実が見えてくるのである。
 
 この事実を捨象すれば、単に「金」という価値に対して「人間」(らしさ)を即時的に対置する、逆の誤りに陥りかねない(別の言葉で言えば、それは単にアンチであって、貨幣の物神化を逆の形で自己表明しているだけに過ぎない)

 さて貨幣の持っている歴史的な意味を概観した。ここまで交換関係や貨幣が、私権闘争を超えた社会統合(同類闘争)の位相に存在することを理解いただけと思う。
これらのことは、単に貨幣は否定すればそれで良しというものではなく、同時に全国通貨に対して、単に地域通貨を対置すれば良い、という問題でもないことを示していると思う。

 では逆に現在の貨幣に問題は無いのだろうか?

 その問題は大きくは4点ではないだろうか?
・ひとつは指標価値としての価格設定のいかがわしさ、つまり価格の正当性。
・貨幣の集中=富の集中と偏在が貧富の差を拡大させたこと。しかもそれは私権闘争における制覇力として自己増殖していくこと
・持っているだけで価値を生むこと。つまり単なる指標であることを超えて、使用価値としてのふるまいを見せること。(利子や配当)
・それを越えて現在最大の問題はバブル化=実体経済を越えて、数字だけが自己増殖していくこと

 これらの問題を次の投稿で考えていきたい。
 
  List
  この記事は 5900 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_5902
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
235833 歴史に学ぶ 〜ペーパーマネー〜 やまと 10/08/08 AM03
144512 評価指標 ageyaki 07/02/09 PM08
103253 実態価値が評価される時代 酒井裕志 05/12/28 AM00
98709 そのお金で何をするのか 加藤弘行 05/10/07 PM10
96421 自給率を高めることにより正当な評価へ 小林有吾 05/08/25 PM07
88856 物々交換を実行してみる価値、ありかも? 津久田博之 05/04/14 PM11
83412 評価媒体と評価指標を転換する 白石寛隆 04/12/31 AM02
82092 数値化される格差 折目裕 04/12/04 PM11
6313 貨幣の問題をめぐってE 北村浩司 01/07/19 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
自我ではなく、共認こそ原点である
自我とは?(フロイトとラカン)
個人主義<=>全体主義 と、利己主義<=>利他主義
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
市民という言葉の欺瞞
自然法、基本的人権とは何か−1
自然法、基本的人権とは何か−2
自然法、基本的人権とは何か−3
前夜の意識状況3 無用となった感応観念(価値観念や規範観念)
構造認識の現況1 否定意識や自我観念から脱却できない近代人=現代人
構造認識の現況2 特権知識階級の商売道具と化した「構造認識」
構造認識の現況3 既成観念の全的否定
観念パラダイムの逆転1 現実捨象の倒錯観念から、観念捨象の現実直視へ
観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考
観念パラダイムの逆転3 現実とは、人々の意識である
「現実=自分自身」は事実認識(構造論)の核心部
新たなグランドセオリーとしての実現論1−グランドセオリーとは何か
新たなグランドセオリーとしての実現論2−傍観者、あるいは引きこもりとしてのアカデミズム
近代思想は宗教と同根
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
若者が実感できる『旧観念』
「何でだろう?」を封印してきた価値観念
同化に不可能視はいらない
相手の感情を前提にしたら『権利』など崩壊する

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp