’70年貧困の消滅と私権の衰弱
58792 統合様式のパラダイム転換
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 03/07/16 PM11 【印刷用へ
では何故私権時代は、身分秩序が体制の背骨になったのだろうか?
私権社会は哺乳類のメスの獲得⇒縄張りの獲得というオスの性闘争本能を土台とした、いい女⇒いい生活⇒金・身分の獲得を巡る私権闘争のエネルギーを最大の活力源にしている。
しかし性闘争本能は同類を敵とする本能なので、大多数の雄が死ぬ事によってバランスしている。しかし単体動物のモグラはともかく、集団型哺乳類はそれでは集団を形成できない。だから一般哺乳類は無限の性闘争を制御するため、強い雄に弱い雄が従う(若しくは敗退のサインを出せばそれ以上は攻撃しない)力の序列ヒエラルキーが形成され、この序列ヒエラルキーが集団統合の背骨になっている。(序列本能)

同様に性闘争本能エネルギーに基盤を置いた、人類の私権時代も最終的にはこの力の序列=身分序列を追認する形で集団や社会が統合されるという、性闘争本能⇒序列本能=力の追認による統合という統合様式を取っている。要するに私権時代の社会や集団は本能に基づく序列原理で統合されてきたのである。例えば社会は統合階級と被統治階級に、企業は肩書き序列に、家族は家父長制にという風にどこを切っても身分序列が骨格となっている。
ここではもちろん共認機能も使われているが、身分秩序を追共認しているだけ、もしくは私的友人関係などの体制の骨格と無関係なところで機能しているだけである。

しかし哺乳類やサルとの違いもある。哺乳類の集団は個体にとって所与のものとして存在するが、バラバラの個人に解体された、私権時代の人類は基本的には生存の確保⇒縄張りの確保は個体で行わざるを得なくなった点にある。つまり縄張りの確保のためにそれを目的にした、略奪集団や企業や国家といった人工的な集団に所属せざるを得なくなる点にある。つまり本能次元での生存の確保のために私権集団に所属し、従って力の序列を追認してきたのである。(若しくは集団や国家の秩序の必要性や、平たく言えば勝つために、その必要性を半ば積極的に認めてきたともいえる)

とすれば、なぜ貧困の消滅=飢えの消滅=肉体次元での生存圧力の衰弱に伴って、身分意識が全面的に攻撃の対象となり、反身分⇒反差別の気運が一気に高まったかもこれで説明がつく。つまり本能を直撃する圧力が消え、従ってそれまで追認してきた(必要としてきた)力の序列を(潜在思念レベルで)正統視できなくり、身分秩序=力の統合に対する不当感のマグマが一気に噴出したのである。

この事は社会統合という地平から見て革命的なパラダイムの転換を意味する。つまり本能の序列原理で統合できないとすれば、社会は本能を超えた人類本来の共認原理で統合されるしかない。かつ共認機能は顔の見える範囲でしか十全に機能しないので、社会は観念共認によって統合されるしかない。
 
しかし現在、その社会統合の要になる統合観念は身分時代に作られた、権利を中核とする現実否定の倒錯観念しかない。また共認形成の場はマスコミ知識人等の一握りの発信階級によっていまだ占められたままであるる。この統合パラダイムの転換という、下部構造の変化に対する上部構造のズレ(観念と制度のズレ)。これこそが、今問題にされている人々の実感とずれた法律ばかり作られていく、という問題の本質なのではないだろうか?
 
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