生命原理・自然の摂理
5799 今西錦司の自然観に対する共感
 
斎藤幸雄 HP ( 37 愛知 建築士 ) 01/07/04 AM00 【印刷用へ
こんにちは、芦原さん。

> これをみると、「一個体が突然変異を起こし、その遺伝子が小集団の中で頻度を上げていった。それにより新しい形質が種に定着し、進化する」とする定説での説明は困難で、HLAの研究からは、交配可能なかなり多数の祖先が、一度にこの地球上に姿を現したということになります。

まさしく、今西進化論を彷彿とさせますね。

今西進化論については、「進化は変わるべくして変わる」という結論が先行してしまい正しく伝わっていない観がありますが、近代西洋科学の限界が言われる現在、今西錦司の自然観・進化論は大変興味を持っています。

その自然観は、いわゆる近代科学の二元論的自然観と異なり、環境と生物といった二つのものが存在しているのと捉えるのではなく、生物あっての環境であり、環境あっての生物でない、といった独自な生物を主体とした一元論的自然観といえます。

今西錦司の言葉を借りれば、環境とは何よりも「生物が生活する生活の場」であり、「生物そのもの継続」であり、「生物的な延長をその内容としていかなければならない」もの。実際の生物と環境の関係は、「生物とその生活の場としての環境を一つにしたもの」となります。

西洋の近代科学が、主体と客体が相互に対置される二元論的な(機械論的な)自然観であるのに対して、環境をあくまでも生物主体の延長とした、今西錦司の一元論的自然観は、生物(主体)と環境(客体)が、相互融合的に捉えられているものである思います。この自然観は、素朴であり、我々の日常的な感覚に近いものであるのではないでしょうか。

今西錦司の進化論は、ダーウィンの進化論に対する曲解した解釈など、いろいろと批判されるところもありますが、種を主体とする進化を考える上で、「すみ分け原理」を土台にした「種社会論理」など、参考になるのではないかと考えています。
 
  List
  この記事は 5794 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_5799
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
196693 「不連続」現象を解明できない近代西洋科学 志水満 09/01/07 AM03
5964 先駆的な自然観としての今西進化論 鈴木隆史 01/07/13 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
『生命と場所』より…生命観
遺伝子の共同体
「利己的な遺伝子」を切開する 1
「利己的な遺伝子」を切開する 2
現状の「科学的事実」と言われているものの怪しさ
現在の生物学には何が欠けているのか
怪しげな「検証」と、危なげな「定説」
事実の体系とは永遠に進化しつづけるもの
一面的な実験データやツールとしての定説に囚われていては事実を見誤る
事実追求のスタンス
専門家集団と事実
科学と社会
「科学的事実」というドグマ
近代科学と知の体系、再考
近代科学について
実証主義を超えて2
専門家集団の自己完結性にひきつけて2・・「丸山ワクチン問題」
原爆をつくった星少年たち 2・・「科学者独自の倫理」
科学者集団の特徴A
数量化できない自然
仏教の対象認識 【受想行織】
詭弁を説明しようとするから難解になってゆく
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(2) 学習観念が役に立たないのはなぜか?
狂気の近代科学技術
原発:近代科学原理主義者たちの産物
なんで、こんなことになってしまったのか?⇒科学者たちの信じられないアホさ加減
素人が創る科学の世界〜プロローグ『科学的認識はすべて仮説、その神格化が創造の壁』
『科学はどこで道を誤ったのか?』(1)プロローグ〜「科学技術は万能」という幻想を打ち砕いた福島原発災害〜
『科学はどこで道を誤ったのか?』(2)古代オリエントの時代〜全てが共認対象として一体であった精霊信仰から精神を上位とし物質を下位とする二元論へ
『科学はどこで道を誤ったのか?』(5)ルネサンス(14〜16c)〜自然魔術による自然支配観念の萌芽と、「科学」「技術」統合への流れ
『科学はどこで道を誤ったのか?』(7)近代の前夜〜「科学技術による自然の征服」という思想の登場〜
『科学はどこで道を誤ったのか?』(9)近代U〜国家体制に組み込まれ、専門化体制の中で無能化した学者〜
『科学はどこで道を誤ったのか?』(10)〜“科学技術の申し子”が起こした惨劇
『科学はどこで道を誤ったのか?』(11)〜“観念の絶対視”が近代科学技術の根本問題〜
科学はどこで道を誤ったのか?』(13)中世後期〜キリスト教の権威付けのための大学の創設により、神の手先の「神官」から「学者」が登場する〜
楢崎皐月氏のカタカムナ説(1) 宇宙から素粒子に至るまで、万象は共通構造(相似象)を示す

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp