これからの暮らしはどうなるの?
55791 共認域の拡大とは開放系組織論
 
林昭光 ( 29 札幌 建築設計 ) 03/05/28 AM01 【印刷用へ
>私たちの実際の行動や生活も、自分が思っているよりもずっと強く、その制度によって律されています。「なぜ学校に行くのか?」「なぜ就職するのか?」「なぜ結婚するのか?」という問いの答えも、直接的には「社会の制度がそうなっているから。」です。<(55671

現実社会で生活する我々は、確かに上記のような制度や慣習に代表される「制度の集合体」として社会を捉えているように思う。そして、新しい認識を得ていなければ、社会とは人々の「意識の集合体」であることにも気が付かない。

実態社会と人々の潜在意識との間にズレがある現在、共認域の拡大は直近の命題と言える。では、具体的に共認域の拡大とはどのようなものか、場と共認域との関係性(55284)をもとに考えてみる。
共認域の形成、つまり社会の成立をみると、

>既存の組織論は、単純化すれば分化と統合の理論である。集団が規模分化や機能分化がおこると、集団(社会)において秩序維持のために必然的に統合化が進む、という『分化→統合』が一般的であろう。<(28318『認識革命の組織論』)

という事実認識にまとめられるように思う。
家庭・企業・国家など、既存の集団・組織も、この「分化→統合」という原理の上に成り立っている。そして、各集団間は、雇用(⇔被雇用)、納税(⇔徴税)、社会保障、福利厚生等に代表されるように、供給者と需要者とが完全に分断された取引関係に則って関係性を維持している(しかし、私権の衰弱と共に統合軸を失っているのが現状)。

「自分(たち)以外は全て敵」という私権の価値軸のもとでは、各集団間は自己閉鎖的にならざるを得ない。だから、集団は他集団との取引による共生手段を選択する。そして集団を維持するには、自集団を拡大するのが得策だった。大企業や宗教集団に例えられるように、それがかつての私権集団の組織論であり、(私権の)共認域の拡大手法だった。

だが、新しい認識による共認域の拡大は、それとは決定的に異なる位置にあるのではないか。以前の投稿『「会」の拡大ではなく「場」の増殖』(52421)が示すように、単純な拡大路線ではないことがその理由だ。
共認域の形成において、場の増殖とは一見「分化」の方向に進むように見える。だが、はじめから統合原理(「るいネット」や「実現論」)を持つ場の増殖は、「分化」しても「統合」に向かう論理的必然性を持つ。
集団内でしか通用しないルールを持った私権集団が、取引関係によって他集団と辛うじて繋がった関係性(閉鎖系の組織論)に比べ、既存の各集団をも貫く統合原理を持った場の増殖は、これまでにない開放系組織論の構築とも言える。

>むしろ、最先端の適応機能(or意識)は、古い現実世界の真っ只中で古い機能群(or意識群)を収束させてゆくことによってのみ、それが最先端機能であることを証明してゆくのである。<(35729『超国家・超市場論30 実現の論理』)

旧い集団を脱しつつある人々にも、新しい集団=場は必要だ。「分化」する方向にしか向かわない既存の集団には可能性がない。「分化」しつつ「統合」される、言わば場が進化し続けるような生きた組織網の構築。共認域の拡大とは、そんなイメージを抱かせる。
 
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9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
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新理論の構築をどう進めてゆくか

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