マスコミに支配される社会
55326 みんな期待に応える場では、全員が供給者=需要者
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 03/05/20 AM02 【印刷用へ
共認域の形成において、供給者の登場がそのカギになることは、私も全くその通りだと思います。しかし同時に過去の宗教や芸能と、現在のみんな期待に応える共認域の形成の戦いとの違いも意識しておく必要があるように思います。
古代宗教や近代思想は、私権の絶対性に対する「実現不可能視」→「頭の中だけの代償充足の必要性」という人々の潜在期待を受けて、供給者=教祖や思想家が登場し、彼らとその弟子達が布教していく、という形で欠乏が顕在化し信者が組織され共認域が形成されていく、という過程を辿ります。ここにおいて特徴的なのは一部の供給者と大多数のそれを受容するだけの大衆=信者という構図です。つまり供給者と需要者の分裂です。

おそらくそれが必然化する理由は次の2点だと思われます。一つは大多数の大衆は日々の私権の獲得(生産労働含む)だけに手一杯で、所詮は代償充足に過ぎない供給内容=思想内容を考え出すような時間も余裕も無いこと。加えてこの普遍期待に応えるためには(共認闘争に勝つためには)その中味=質が要求され、(半)専任化が必要とされたことです。
更にその後、信者が多数になり社会共認に決定的な力を持つようになってくると、それは教団や大学などの形で制度化され、それを専業としてメシを喰っていく階級が登場します。ここにおいて共認内容を獲得することは私権=身分の獲得と一体化され、需要側は信者や学生として一方的に組織化されるだけで、供給者と需要者の分断は完全に固定化されていきます。
芸術・芸能は音楽や絵画スポーツなど様々な代償充足の様式をもっており、夫々が専門分化されているという違いはありますが、供給者の登場→組織化→専業化というプロセスや、供給者と需要者の分断という構造とそれが必然化される理由は、思想とほぼ同じ理由と思われます。

それに対して、現在の適応不全に基づく「みんな期待」に応えることを巡る共認域の形成は、過去の思想や芸能と決定的に違う点が存在すると思われます。それは一つには、過去のそれらが実現不可能視に基づく代償充足の欠乏に過ぎなかったのに対して、今回は「何とかしようとする」当事者欠乏であること。また別の言葉でいえば、過去人々は私権課題に全的に縛り付けられることによって、当事者=供給者の道をほぼ封じられていたのに対して、私権の衰弱によってそれが解放されたことです。つまりこの二つの条件から、人々が供給者であり需要者でもあるという過去と全く違う構造が可能になるという点です。

つまり、過去の共認域の縄張り闘争が、供給者の組織化に加えて、信者や観客などの需要者の組織化という課題があり、共認域の拡大とは専ら主要に後者を意味していたのに対して(この点では市場における供給者も同じ)、現代の共認域の縄張り闘争は専ら供給者=需要者の組織化一点に課題が集約される点が決定的な違いです。つまり共認域の形成とは、最終的に供給者の組織化一点に収斂します。
しかしこの点は同時に新たな課題も発生させると思います。つまり過去の供給者達が普遍期待に対応させるべく質の高度化の為に専業化していったように、現在の共認域の獲得においても、質=中味の上昇の為に半専業化(副業化)若しくは供給内容を巡っての高度化競争→質を巡っての精錬・陶冶の仕組みが要求されると言う点だと思われます。
 
  List
  この記事は 55141 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_55326
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
87582 信者数は増大しつづけているという妄想 石野潤 05/03/19 AM01
55735 旧観念においては「大衆化=傍観者化」 麦秋 03/05/27 PM00
55667 供給者が需要者に、需要者が供給者に 福田慎一郎 03/05/25 PM10
55662 仕組みはすでに用意されている 山本豊 03/05/25 PM06
55617 必要なのは高度化のための専門分化ではなく、全体の高度化だと思いました。 ふうらいぼう 03/05/24 PM01
55609 一体であるべきもの 末吉孝子 03/05/24 AM08
55600 これから大転換が起こる 明けの明星 03/05/24 AM00
55530 供給者の質 石橋直樹 03/05/22 PM11
55521 供給者と需要者の関係パラダイム 森田政則 03/05/22 PM08
55457 供給者=需要者=協働者 高利 03/05/22 AM00
55422 需要者=供給者で普通の人々が時代を作っていく当事者になる 大木康子 03/05/21 PM02
55387 供給者=需要者の構造が、特権階級を駆逐する 本田真吾 03/05/21 AM00
55373 新しい統合機関の必然性を再認識 津久田博之 03/05/20 PM11
55360 発信・受信が分断された構造では、廃れてゆくだけ 平川要 03/05/20 PM10
55340 需要者=供給者 ゲン 03/05/20 PM01
55339 専業化より開かれた評価システム 大地の子 03/05/20 PM01

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
新しい潮流7 同類圧力は、新しい認識によって生み出される
新しい潮流8 現実を対象化するための概念装置
新しい潮流10 外向仲間収束は、観客から協働者への移行の土台となる
新しい潮流11 外向仲間の拠点(収束核)が、認識形成サイトである
新しい潮流12 外向仲間の本質は認識仲間である
新しい潮流13 認識仲間の実現基盤
新しい潮流14 社会空間における本源共認の実現形態
認識形成サイト1 認識仲間の演場となる拠点サイト
認識形成サイト2 単なる共鳴・伝播と参加・協働の違い
認識形成サイト4 市場原理の観客読者と本源原理の協働読者
発信欠乏は、喉元まで出かかっている
認識の営業は、相手を選ばない
対象は、ネットに馴染んでいない普通の人々
認識営業の『まつり場』こそ、『原初の社会』である
新しい社会の原基構造
認識を伝えた相手にも、同じ充足感を味わってもらう
認識営業の条件:対象はあくまでも新しい相手
私達は「気付き」始めた
本当にどんどん広がってる!
新たな世代間対立の始まり
みんな期待に応える場では、全員が供給者=需要者
サークルの引力と交流会の引力
バラバラだった社会現象が、交流会では繋がっていく
心斎橋(アーケード)路店でA
心斎橋(アーケード)路店でB
心斎橋(アーケード)路店でC
「次は、路上の時代になる!」と言い切った、その女の子。
共認運動の最前線(なんでや露店)と後方基地(なんでや勉強店)1
勉強って、こんなにも面白いものだったとは!
なんでだろう?を超えてしまった高校生
おばちゃんの表情に見る社会不全の表出
なんで屋さんはなんでも屋になれる
否定を超えて可能性基盤へ 
大衆の言葉の変化もプラス思考で
発信するために、受信する
ツイッターで、ひたすら皆の役に立つ事実を伝える。自らが媒体になりきる。

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp