西欧科学は狂っている
5251 原爆ですか、その1(反社会的ということ)>本田さん
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 01/06/14 AM10 【印刷用へ
本田さん、今度は科学者の自己完結性の問題ですか。原爆ですね…。

>専門家集団の自己完結性とはそのような排他的で自己讃美性の強い「聖職者意識」に近い幻想観念共認が作り出しているのではないか?という仮説を立てました。<(5247、本田さん)
 
「原爆は、いざとなったら日本は作れる。」とは、大学時代に私が習った某教授の話です。(何を隠そう私は、当時の花型の原子力を専攻していましので…。今や、人気の職種としては下から数えた方が早いそうですが…)。大学といえば、当時助教授に鼻息の荒い人がおりまして、「私が原子力船むつを設計した、安全設計!」を豪語しておりましたが、あんなことになって…。ところで、原子力といえば原爆だけでなくエネルギー問題に直結する問題ですね。詳細はここでは保留しておくとして、先日の新聞では、ドイツの原子力発電撤廃が議会で承認されたようです。果たしていったん開いてしまったパンドラの箱を今後どのようにするのかは、エネルギー問題をどうするのか、科学技術をどのような統合社会・体制で、どのように制御していくのか、その点を押さえないとダメでしょうね。
 
>戦争に原爆を使用する決断をした統合者のはいつも問題にされますが、これだけ大勢の科学者が、原爆開発の最中に何の罪悪感を感じていないことは、あまり非難されません。純粋な知の追求をする自分達は無垢な存在であり、その知の追求は善であり、それを誰もとがめることが出来ないという幻想観念を共認しているのではないでしょうか。そして、反社会的な研究活動を行うとき、集団内でその共認を強化し現実を捨象するのではないでしょうか。まるで、自分達が少年の無垢な心のままであるかのように思い込んで。<(5248、本田さん)

確かに、非現実の世界に科学がさまよっているだけであればまだしも、科学技術が現実の社会そのものを破壊するとなると、犯罪であり、その科学者集団や技術者集団の問題性は、現在もこの会議室で議論したとおりですね。ただ、「反社会的な研究活動」というところは、もう少し厳密にあるいは詳細に押さえておく方がよいのではないかと思います。

本田さんが例に出された湯川秀樹。今では移転しましたが、戦争中、大阪の中の島にあった阪大で、湯川秀樹を初めとする科学者はウランの濃縮実験を行っておりました。それは、何のためか。原爆を開発するためです。それは、純粋な知の追求をするためではなく、明らかに勝つためです。日本の明治維新において、科学技術が急激に発達した原動力が「国家が強くなるため」であったように。

これが、私が5072で指摘した国家権力主導の科学技術という問題です。もちろん現在の科学技術の問題がそうであるように、国民(大衆)の共認(同意)とは関係なしに、具体的な方針が決められ秘密時に開発が進み、「発明は必要の母である」に代表されるように、技術が生まれることで必要になる…、そんな側面がまず問題です。しかし、国民の同意(大衆共認)という点について言えば、科学者が科学者として存在できるのはその大衆共認があるから(もちろん力の強制共認も含みます)であり、戦争中に「反社会的な活動」を、彼らがやっていたわけではなかった、のではないでしょうか。
 
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