新しい男女関係(→婚姻制)の模索
5144 ネイティブアメリカンに見る「女性への賛歌」
 
西谷文宏 ( 24 和歌山 建築設計 ) 01/06/10 AM01 【印刷用へ
 「先住民族女性と白人の女性開放論者のちがいは、 
  白人フェミニストたちは権利を主張し、
  先住民女性は負うべき役割について主張しているところだ。
  このふたつは大きく異なる。
  わたしたちの役割とはこの世界にあるわたしたちの土地を守ることだ。」

上の言葉は、ネイティブアメリカン(インディアン)のある女性が、彼らの生活を追ったレポートの中で語った言葉です。
この言葉には、先の投稿で三ケ本氏が書かれていた、アイヌの女性の言葉と同じ心を感じます。

両者(ネイティブアメリカンとアイヌ)に共通しているのは、男女の分業・役割分担を「ジェンダーの優劣」とは、考えもせず,自らの女性としての役割と責任を心得、また、それを何よりも重要視している点でしょう。「女性の務め」「負うべき責任」という毅然とした言葉に、その心がよく表れていると思います

ところが、この「女性の役割・負うべき責任」という彼女らの精神は、欧米人的価値観から見れば、「女性の権利の侵害」はたまた「女性の奴隷化」と捉えられるのですからその価値観の違いには、圧倒的な壁が存在します

「権利の主張」と「役割の主張」
この相違をもたらしている背景には、どのような理由があるのでしょうか

地理的違いなどの物理的要因、民族の違いによる精神的違いなどももちろんあるでしょうが、その背景には、私権社会における性市場の存在と、それがもたらした女性尊重精神の欠如があるのではないかと私は考えています。

ネイティブ・アメリカンには数々の女性賛美の言葉が存在します
「この星は、われわれがずっと生活してきた家である。女性はその骨で大地を支えてきた。」

「女性を愛し、大地は女性なのだと教えられ育ってきた男たちは、大地と女性を同じものだと考えている。それこそ本当の男なのだ。
生命を産むのは女性である。女性が昔から感じとっていた眼にみえない大きな力との関係を男たちが理解し始めるなら、世の中はよりよい方向に変化し始めるだろう。」

「女は永遠の存在である。男は女から生まれ、そして女へと帰っていく。」

「女性が死にたえるまで、部族が征服されることはない。」

これらは、そのような「女性賛美」の言葉の一部であり、性市場のように「女の性的価値」に左右されることなく、全ての女性に贈られた言葉です。
ネイティブ・アメリカンの男達は、男よりも女を敬い女が民族の支えであることを理解しているのです

これに対し、西洋を中心とする私権社会では、女性の評価は、商品としての性的価値に委ねられています(左右される)。
男性にとって女性は「ものにするもの」であり、自らの性的欲求の矛先に過ぎません

このような関係では、ネイティブ・アメリカンに見られるような女性への尊敬、女性賛美の心など生まれるはずもありません
ですから、西洋社会に存在する女性に向けられた言葉は、ある特定の女性(価値を認めた女性)にのみ贈られた言葉しか存在しないのです。(これが恋愛物語)

まとめると
 ネイティブの社会において女性は「尊敬」されている
 それゆえに女性は女性としての価値を知り、
 その役割の重要性を認識している、「自らの務め」を知っている

 私権社会において女性は商品として「評価」されている
 それゆえに女性は個人としての価値にのみ関心があり
 その価値を高めるため、より広い「自らの権利」を主張する

と言ったところでしょうか

このように考えると、「女性の権利」という西洋的価値観は性市場という歪んだ世界の中で、「本来の女性の価値」がないがしろにされ「性的商品としての女性の価値」に摩り替えられたがために発生した、歪みに歪んだ価値観であることがはっきりわかります。
 
  List
  この記事は 4922 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_5144
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
242165 女性賛美の言葉は男にも活力を与える 大脇正嗣 10/12/13 PM08
242144 男女を導く言葉 匿名希望 10/12/13 AM10
本格追求シリーズ1 人類の”性”の本質を探る<人類にとって性とは? まとめ> 「共同体社会と人類婚姻史」 09/11/18 AM01
本格追求シリーズ1 人類の”性”の本質を探る<人類にとって性とは?(2) 極限時代の人類の性(前半)> 「共同体社会と人類婚姻史」 09/10/21 PM08
“独立宣言”…北米の先住民族ラコタがアメリカに独立宣言を突きつける 「にほん民族解放戦線^o^」 07/12/22 PM07
148644 フェミニズムとは 新里勝一郎 07/04/04 PM08
105335 アイヌの川は女性 岡本誠 06/02/08 AM01
♀という性(その2) 「瞬間の集積」 06/01/21 AM01
102463 闘争存在であることを自覚する ミスター 05/12/12 PM01
100177 化粧とチャネリングは同義なのではないか? 走馬灯 05/11/01 PM10
93731 もっと楽になれるはず 石橋創 05/07/01 PM08
93712 賛美!尊敬! 白子佳世 05/07/01 PM02
91617 男女同権論の現実的な終焉 斎藤一浩 05/05/28 PM08
91600 男女同権はぜんぜん対象性が無い疲弊するだけ 匿名希望 05/05/28 PM02
90741 「女である君と、男である僕」 清水志保 05/05/14 PM10
90137 「女としての役割、男としての役割」 平川要 05/05/06 PM07
87989 男と女は役割の原点 田中健太郎 05/03/27 AM07
87951 存在を肯定視する 宮崎未帆 05/03/26 PM10
87802 フェミニズムは女性を肯定視できない人たちの自我充足運動 阿部和雄 05/03/23 PM08
87767 「大地と女性は同じもの」 一力広明 05/03/22 PM11
87205 何を尊敬するのか 鹿村幸代 05/03/11 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp