否定脳(旧観念)からの脱却
51407 自己実現の「非」実現性
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 03/03/10 PM11 【印刷用へ
確かに自己実現(や自分探し、更にその大元にある「自分」観念)は 今尚多くの人が囚われている最後の旧観念かも知れません。それゆえに根強い、ということも出来ますが、本来の自分の主体は「私権」や「自我」。それらの実体が衰弱しているわけですから、観念次元でも引導を渡す必要があると思います。

まず人間は生まれたときは真っ白です。そして「自分」なるものの中身は全て、親や周りの人や更には学校やマスコミ等の「周り」から与えられたものです。
つまり先ず「周り」=対象ありきです。少なくとも自分という主体と、対象との2つがあります。
かつ何かを実現して充足しようとすれば、必ず人々の意識や、実現すべき対象の期待や構造を掴むことなしには実現できません。
またそれが周りから認められてこそ充足が得られます。(それらがなければ単なる「自己満足」です)

つまり自分ではなく、対象の中に何かを実現してこそ充足が得られる、という構造です。「自己実現」という言葉は、その二つある実体の内、片方だけを表現した言葉です。つまり概念としては明らかに偏った「片肺思考」です。(その意味では言葉としても単に「実現」或いは「対象の実現」「共認の形成」という言葉を使うべきです。)
問題なのは、だから、その言葉を使った途端に、一方=自己しか対象化されないことになり、思考ベクトルがひたすら「自分」≒内面しか向かわないことです。つまり倒錯思考に陥ることです。これでは何事も実現できないでしょう。

そして今、何よりも問題なのは人々を取り巻く環境=外圧が「みんな不全」⇒「みんな期待」に変化したこと。少なくともこの適応不全には「自己実現の論理では(いかに詭弁を駆使しようとも)全く答えは出せないでしょう。そもそも対象からズレているからです。
つまり「自己実現」という観念に囚われる限り時代=人々の意識からズレ、消耗していくばかりです。

>いまどき自己実現って、古くない?(51212堀さん)
その多くの普通の人々の感覚は、上記の構造から必然的に出てくるものだ、と思います。
 
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