私権原理から共認原理への大転換
5136 Re:場の共有(2)
 
雪竹恭一 ( 38 大阪府 営業 ) 01/06/10 AM00 【印刷用へ
場を共有できなくなった原因について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

>顔も生活背景も知らないそれでも「誰か」に支えられて生きているわけです。

人は、誰しも「誰か」に支えられて生きているわけですが、その事実を忘れさせ、他人に対する配慮を欠落させるようになった原因に、市場社会の問題があるように思います。市場社会では、お金さえあれば何でも手に入ります。お金さえあれば、そのサービスを提供してくれる人の顔や生活背景を知らなくても、サービスを買うことができます。ですから、お金さえあれば、他人に対する感謝や配慮がなくても生きてゆけるわけです。そして、いつしか人々は、自分を生かしてくれる「誰か」を有り難がるより、お金を有り難がるようになりました。

勿論、お金の向こうには、ちゃんと顔も生活背景も持った「誰か」がいるわけで、たとえお金を媒介にしても、「誰か」に対して感謝や配慮をすることも可能なわけですが、市場社会では、仕事のやりがいや他人の仕事への感謝ということよりは、利益を上げることが優先されてしまいます。そのため、大量かつ効率的に生産を行うことが至上命題となり、生産や流通の過程はどんどん細分化・分業化されて、生産者と消費者は、全く分断されてゆきました。その結果、生産者である「誰か」に感謝しようにも、具体的に誰に感謝すればいいのかが分からなくなってしまったのです。そして、そのような市場経済の浸透と拡大の過程を通じて、お金というものがますます強固に物神化され、お金さえあれば、感謝や配慮をしなくても生きてゆけるという社会が実現されました。その結果、人々は「誰か」を有り難がるより、お金を有り難がるようになったのです。

>「他人への迷惑」という定義は一体どこから来るものなのでしょうか?

場を共有できなくなった原因は、お金の物神化と市場経済の浸透と大いに関係しています。「他人への迷惑」という定義は、ともに共同の社会で生きる仲間であるという意識と互いに生産や消費の課題を通じて支えあっているという実感や感謝の念から来るものであろうと思いますが、市場社会の浸透は、そのような共同体意識と共同体の生産関係を解体してきました。今の若者世代のように、共同体が解体された豊かな市場社会に育った者が、自分(達)勝手に、「他人への迷惑」を定義するのもその意味では必然です。


しかし、その若者達が、お金を有り難がることより、「誰か」に有り難がられること、仕事のやりがいや充足感を強く求め始めています。
多くの若者達が、顔の見えない「誰か」のために働くよりは、顔の見える「誰か」のために、手ごたえのある仕事をしたいと望んでいるのではないでしょうか。若者達は、お金を稼ぐためだけに、市場システムの歯車の一つとして、疎外された労働に身を費やすことに対しては拒否をし始めているように思います。

私も、場の共有の原点に戻るというのは、貴方の御意見のように、生きること、働くことの意味を問い直すことではないかと思います。その意味では、やはり、若者達が充足できる「社会的な課題」を自分達自身で見つけてゆくことが、今大事なことではないかと思いますし、お金というものにこだわらなければ、その可能性はいくらでも開かれていると思います。働くことに充足することができれば、やがて場を共有することも、「他人への迷惑」という定義を共有することもできるようになるだろうと思います。


 
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