原始人類の婚姻様式と男女和合充足
4986 エスキモーを通じて現代のゆがみが見える
 
麦秋 ( 34 東京 ) 01/06/05 PM10 【印刷用へ
紹介されたエスキモーの結婚観は、現代なお根強い「2人の愛」の終着点という結婚観とは似てもにつかない、もっと生々しいもののように映りました。

かなくぼさんの投稿で触れられているエスキモーの経済感覚とは、この「生々しさ」、つまり生産過程を含めた生身の集団存続課題が全的に共有されていることを指しているのでしょう。この中にあっては、生殖過程も集団存続という現実の課題と受け止められ、過酷な自然環境の中にあってはより重視されることになります。文明の流れに抗しきれない中にあってもなお、最果ての地にすむ民族はこうした本源的な生活様式の根本部分を失わずにいるのだと思いました。

また、自然圧力が強い場合には概ね上位の男に女が集中する婚姻制が取られることが多いようです。こうした婚姻制を下敷きに、様々な集団規範が形作られているのですが、極寒の地にすむエスキモー達にとっての集団とは、一見すると固定化されたものではない、ごく身近なあつまりを指すのみに過ぎないという印象を受けます。

この点は引用されていた文のように、「個人の自由」が大幅に認められているのだと解すこともできるでしょう。しかし、彼らにとっての集団とは、一貫して生活に密着した人の集まりです。遙か昔までさかのぼった家系・血縁関係や、国家、あるいは人類全体などといった超肥大集団の中に、自らと他者との結びつきを確認するのではありません。それほど彼らにとって集団とは、自らの生活と切っても切れない関係にあったのだといえますし、無論ことさら抑圧的、あるいは閉鎖的であると感じることもなかったのだろうと思います。

少なくとも、「生きる」という絶対課題が「2人の愛」を越えて存在していたことだけは確かなことです。
 
  List
  この記事は 4881 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_4986
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp