実現論を塗り重ねてゆく
48652 「収束⇒統合」を伝えるには、まず、置かれた環境を貫く闘争圧力を把握する
 
冨田彰男 ( 39 兵庫 経営管理 ) 03/01/28 PM04 【印刷用へ
「収束⇒統合」とは、何よりもまず、外圧(≒闘争圧力)に対する適応様式であるという大前提を忘れてはならないのだと思います。闘争圧力の中身を把握せずに、「収束⇒統合」だけを説明してもリアリティは得られないのです。

>社会統合の問題を考えると、すぐに統合様式=(統合を担う)最先端機能に目が行ってしまうが、既にそこに大きな落とし穴がある。実は、最も重要なのは、その統合様式の大前提をなす、置かれた環境を貫く闘争圧力の把握である。置かれた環境を貫く闘争圧力が、(個体を構成する各機能であれ、あるいは集団を構成する各個体であれ)最末端まで貫通した圧力として働いているからこそ、その圧力に適応する最先端機能へと(各機能や各個体が)収束し、全体が統合されるのであって、この圧力がなければ、最先端機能も統合機能として働かない。また、最末端まで貫通した圧力の存在を捨象して、統合機能の真の姿が見える訳もない。(29835「置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ」)

闘争圧力を把握すれば、一般の生物の「収束⇒統合」が次のように端的に展開できます。

>一般に生物にとって最大の外圧⇒課題は、敵生物との外敵闘争であり、従って闘争機能の進化を中心とする闘争能力の機能進化が、先端機能=統合機能の進化の主軸となる。 その他にも、この闘争(能力)適応から発展した集団(統合)適応という様式があり、これもごく一般的な適応様式である。例えば哺乳類etcに顕著な序列本能も闘争圧力に対応した集団(統合)適応の進化形であり、また、霊長類に固有の共認機能も、この集団(統合)適応の進化形である。(29834「闘争(能力)適応 と 共生(取引)適応」)

>重要なのは圧力源である。同類闘争の圧力は、他集団さえ居れば、必ず発生する。そして、猿類・人類は、この圧力を進化の源泉としてきた。従って、同類闘争の圧力こそ、人類の永遠の圧力源=活力源だと云えるだろう。この点(同類闘争を圧力源にしているという点)は、次代の社会統合の仕組みを考える上で、決して忘れてはならない基礎条件である。(30280同類闘争の圧力と共認統合の限界」)

そして、人類の新たな圧力源は、同類圧力です。(31505「人類の新たな活力源=圧力源」)。そのことを明らかにして初めて、人類の新たな収束先⇒統合様式がリアリティを持って伝えられるのです。

>人類は、既に物的な生存圧力から脱却した以上、生存圧力を背景とする同類闘争(掠奪闘争や私権闘争)から、同類圧力を背景とする同類闘争へと脱皮するしかない。その新しい同類闘争こそ、このNW板で1〜2ヶ月前に明らかにされた新しい潮流、即ち人々の外向収束(社会収束)⇒認識収束が生み出す認識闘争(評価競争)である。つまり人類は今、史上はじめて、人類本来の共認機能に基づく共認闘争によって掠奪闘争や私権闘争を止揚し、社会を再統合し直す段階に来たと云えるだろう。(30282「生存圧力に基づく同類闘争から、同類圧力に基づく同類闘争=認識競争へ」)

このように、「収束⇒統合」という根概念を説明する上で、置かれた環境を貫く闘争圧力の把握が不可欠で、逆に、それがあれば「収束⇒統合」がよりリアリティを持って伝えられるのだと思います。 
 
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