共認心理学:現代の精神病理
47433 主体認識と状況認識は一体では無いか
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 03/01/09 PM10 【印刷用へ
うつ病(分裂病)において前々から解らなかったことが、「ダメ意識」等精神的な自己攻撃に加えて、拒人症、拒食症、アレルギー(自己免疫疾患)等、肉体的な自己攻撃と思われる現象が起こることであった。

以前はこの問題に伝達物質の側面からアプローチした。
しかしこの点も主体認識=欠乏と方法回路と、状況認識→対象認識は一体である、という視点に立てば、より問題が鮮明になるように思う。

おそらくうつ病の場合、幼児期の母親から刻印された親和欠損による精神不安や恐怖記憶が要因となって、対象から逃避(危機逃避回路による)したいという欠乏が働いている。しかしその対象が例えば原点が幼児期の母親の親和であれば、幼児にとって母親は絶対的な存在であるわけで、もともと存在した欠乏と逃避したいその対象は一体のものである。だからその時点で意識は大きく混濁する。従って対象を否定、封鎖するためには、同時に自身が持つ対象に対する欠乏も否定・封鎖する必要が出てくる。この対象凍結・主体凍結の回路が、周囲の人の評価圧力を前に働き出すと言うことではないか、と思う。

これらの欠乏は本能や主要に共認回路から生ずるものである。従って精神的な自己攻撃のみならず肉体的な自己攻撃=欠乏の否定と封鎖を起こすのではないか、と思われる。当然ながら欠乏こそ全てのエネルギーの源であるわけで、一切の活力は(対象と主体の封鎖に使われることに注がれる以外は)封印されてしまう。

この倒錯した構造を生む主体は、共認や評価捨象の主体=自我しか考えられない。通常は自我は他者否定と自己讃美(自己陶酔)のプラスに用いられるが対象を否定しきれない場合、そのように対象+主体封鎖という現象を引き起こすのであろう。

このうつ病の事例は最も極端な事例だが、それを水で薄めれば対象からの逃避→自己世界への逃避と主体の欠乏の抑制、方法回路の硬直=引っ込み思案等の関係弱者の構造を生むのではないかと思われる。(動物の擬態になぞらえれば一種の「硬直」の構造)この場合は幼児期に不安が刻印されてはいる訳ではないが、その後の仲間圧力などの関係圧力が逃避回路と主体抑制回路を形成している事例であろう。

しかしこの逃避指令と主体凍結の大元は(逃避しなければ危険であるという)状況判断である。だとすればこの状況認識の転換こそが、同時に本来の共認欠乏・評価欠乏と、その方法回路の再生を促すカギを握っているのではないか、と思う。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_47433
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
(>_<) うつが増えていくのは、なんで? 「なんで屋<男塾>」 06/07/18 PM00
113633 1人で考えてしまう事で悩み倍増 匿名希望 06/05/14 PM01
113632 評価を与えることが大切 匿名希望 06/05/14 PM01
113621 主体凍結の大元を認識すること。 匿名希望 06/05/14 PM00
105181 自信が無いのは期待封鎖と「答えが無い」と言う状況認識の2重構造 鈴木龍也 06/02/05 AM00
“うつ”のメカニズム? 「Biological Journal」 05/11/17 AM04
98401 状況認識の転換と、その空間 マー 05/10/03 PM01
96828 自分自身も肯定視できるという認識は大切 谷崎俊文 05/09/04 PM09
96793 自己攻撃現象を治める方法 渡邊かお里 05/09/03 PM10
95697 原因構想を理解するということ 安藤太地 05/08/07 PM10
94234 活力再生は状況認識の転換から 越見源 05/07/10 AM03
92641 「いつも自信がない」状況から「答えの探索」へ 浅見昌良 05/06/14 AM01
91816 正確な状況認識が自信を持つ原点 高梨俊寛 05/05/31 PM11
91804 対象に向かう姿が美しい 呉珍之 05/05/31 PM10
91425 なるほど!! 小林千春 05/05/25 PM07
90482 顔の魅力に起因するのは? 篠田悟 05/05/11 PM10
89772 旧制度・役割への観念収束が精神や肉体を破壊する 浅野雅義 05/04/29 PM11
89755 逃げずに相手の期待に飛び込む 福島健 05/04/29 PM05
89722 リスカや過食(共認不全)はみんな課題 鈴木康夫 05/04/28 PM11
89450 「みんな不安」に気づけば・・・ 太刀川省治 05/04/23 PM11
89322 どうすれば、同化障害は克服できる? 本田真吾 05/04/21 PM11
89320 規範の喪失がうつ病増加の直接原因では 吉川明博 05/04/21 PM11
88434 自己攻撃する若者の意識構造 高梨俊寛 05/04/05 PM11
88405 不安や悩みを捨象せず、可能性だと捉える認識転換が必要 大嶋洋一 05/04/05 PM07
87963 肯定視する気持ちを伸ばしていくだけ 福島健 05/03/26 PM11
87570 肉体的な自己攻撃と観念での否定意識のつながり。 近藤文人 05/03/18 PM11
87562 「不安な自分」が不安のもと 河野梨恵 05/03/18 PM10
87255 自信を求めること 匿名希望 05/03/12 PM10
86636 プラス記憶が状況認識を塗り替える 下城浩一 05/03/02 PM10
86385 充足を求めているんだと、つくづく思う。 根木貴大 05/02/26 PM10
86055 危機逃避からの自己攻撃が本能レベルにまで刻印されていること 村田貞雄 05/02/21 AM01
83601 一人であるのが好き? 田宮昌明 05/01/04 PM08
83251 危機逃避回路と自我回路が相乗して自己攻撃? 平野令 04/12/27 PM07
83200 仲間=現実を読む回路を復元する訓練 馬場康一郎 04/12/26 AM04
83137 状況認識の転換と初めの一歩 大嶋洋一 04/12/25 AM03
48597 主体凍結(共認欠乏封鎖)を可能にしているのは、現実否定の観念である 冨田彰男 03/01/27 PM10
48355 主体凍結とは、共感欠乏の封鎖のことではないか 冨田彰男 03/01/23 PM06
47824 欠乏をもっと認識したい 久保田彰子 03/01/16 AM00
47765 分断された主体と対象 佐藤祥司 03/01/15 AM01
47750 正確な状況認識により過去の記憶を塗り替える 本田真吾 03/01/14 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
素人の社会活動19 素人と創造
素人の社会活動26 創造の資質
素人の社会活動27 実感投稿と現象発掘が会議室の生命
素人の社会活動28 現実を対象化する=思考する
素人の社会活動29 私権時代の歪んだ思考(主張・説得・議論)
素人の社会活動30 現実を対象化する思考=事実認識
素人の社会活動33 投稿様式の模索
素人の社会活動34 創造(=探求)のパラダイム転換
素人の社会活動35 素人こそ創造者(論点の整理)
素人の社会活動36 探求思考と説明思考⇒表出(会議と投稿)のパラダイム転換
素人の社会活動37 表出規範(or思考規範・表現規範)
共認革命6 チンケな運動(要求運動の終焉)
共認革命7 錯誤の根は、古い武力闘争のパラダイムにある
共認革命8 運動信仰を捨てて、共認革命を
共認革命9 強制共認と発信階級の犯罪
共認革命10 新しいまつりの場、それがネットであり、統合サイトである
共認革命11 皆が次々と投稿するだけで、まつりの引力が生み出される
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
「現実=自分自身」は事実認識(構造論)の核心部
「まず実践」の問題性
市民という言葉の欺瞞
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
旧観念と新しい概念装置の決定的違い
「旧観念無用」という認識が生み出す気付きの深さ
頭で理解しただけでは、新理論は使いこなせない
潜在思念発の大きな方向と大きな構成
外向収束⇒認識収束に応える『認識形成の場』
『認識形成の場』こそ、新しい社会統合機構の中核である
ゼロから、自分たちの『場』を作る活動
認識形成の『場』を構築することこそ、真の社会活動である
『必要か、必要でないか』という真っ当な判断の土俵が出来てゆく
必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆく
新しい可能性が顕在化するとは、どういうことか?
新しい『場』は、古い評価指標の洗礼を受けて、はじめて顕在化する
大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく
大衆には、運動を立ち上げる余力が無い→余力を与えられた悪徳エリートが支配する社会
金貸し勢力の弱点と自滅の構造
金貸しと悪徳エリートに止めを刺すのは?

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp