心の本体=共認機能の形成過程
44257 「笑い」でリハビリ
 
井草貴浩 ( 33 群馬 現場監理 ) 02/11/20 PM11 【印刷用へ
 「笑い」を実際に治療に取り入れている事例を紹介します。私の実家の近くの病院(中央群馬脳神経外科病院)なのですが、院長が「医者もできる噺家」として病院寄席を開き、主に慢性期脳卒中患者のための脳のリハビリに活用しているというものです。院長である中島英雄氏は10代目桂文治門下で桂前治の芸名を襲名し(実際、脳外科医としてのキャリアより噺家としての芸歴のほうが長い)日本で始めて寄席のある病院を作ってしまった人です。脳卒中のリハビリといえば通常、手足を動かすことによって脳内の血流を増やし活性化させるというものですが、この病院では、寄席を開いて落語を聞いてもらい、患者さんが笑うことによって同様効果を得ることが出来ているそうです。

以下は記事からの引用です。

 中央群馬脳神経外科病院の中島英雄院長は、笑うことが脳の活性化には大切だと言う。毎月1回病院内で開く寄席は、慢性期脳卒中患者の脳のリハビリが目的である。

 中島院長によれば、笑いには種類があって、それぞれ請け負う脳が違う。一般に「快の笑い」「社交上の笑い」「緊張緩和の笑い」に分けられ、「快の笑い」は、本能充足、優越、期待充足などの笑いである。「社交上の笑い」はあいさつやつられ笑い、それに防衛、攻撃などのときに出る。「緊張緩和の笑い」は緊張が緩んだときなどに出る。

 脳は3層構造になっている。一番下にあるのは食欲、性欲など生物が自己保存、種族保存するための脳。最も原始的な脳なので「爬(は)虫類の脳」「ワニの脳」などと呼ばれ「快の笑い」を表現する場所である。「ワニの脳」の近くにはA10神経という「快楽神経」が走っていて、期待が満たされたときに反応する。

 「ワニの脳」の上にあるのが大脳辺縁系と呼ばれている部分で、俗に「ウマの脳」という。「ワニの脳」に比べればかなり進化しているが、大脳新皮質に比べると下等で、「快の笑い」を表現する。大脳辺縁系は記憶、喜怒哀楽、好き嫌いなどの感情を支配しているので、例えば、生意気だが仕事のできる嫌いな同僚が珍しく失敗して上司に怒鳴られているところを見たときに出る「ニヤッ」などは大脳辺縁系の仕業である。また、受験生が合格発表の掲示板に自分の受験番号を見つけたときの「ヤッター」という叫びとともに自然に出てくる期待充足の笑いもそうだ。

 こうした動物の脳に対するのが「人の脳」といわれる大脳新皮質で、「社交上の笑い」を作っている。この社交上の笑いは人間関係を円滑にするためのひとつの技術だが、ひとつ間違えば卑屈な笑いにもなる。落語に出てくる幇間(ほうかん=たいこ持ち)の笑いなどは社交上の笑いの典型である。

 中島院長は「落語を聞いて笑ったら退院も近い」と言う。落語のシャレやオチは、動物の脳では理解できないからだ。落語を聞いて笑ったら、大脳新皮質が回復しつつある証拠なのである。
 
  List
  この記事は 44032 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_44257
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp