脳回路と駆動物質
42811 相手と自分を同一視するミラーニューロン
 
冨田彰男 ( 39 兵庫 経営管理 ) 02/10/24 PM06 【印刷用へ
10月23日の日経新聞に「アタマを探る7」という記事がありました。一部引用します。

>身ぶり手ぶりから相手の意図をくみ取ろうとするとき、脳の中ではどんな仕組みが働いているのだろうか。そのなぞを解くカギとして、10年ほど前に見つかった「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞が改めて注目されている。<

>イタリア・パルマ大のリゾラッティ教授らは、サルが手で餌をつかみ取るときの脳内の神経活動を調べていた。そのとき反応する神経細胞が、他のサルが餌を取る様子を見るだけでも同様に反応することを発見した。他人の動作を自分の頭の中に写し出す鏡のような反応を示すことから、ミラーニューロンと名付けられた。(中略)国立身障者リハビリセンターの西谷信之感覚認知障害研究室長らが、人にもミラーニューロンのような部位があることを明らかにした。<

>棒の先を自分でつまんだときと、他人がつまむのを見るだけのときの脳内の活動部位を調べた。いずれも言葉をしゃべるときに関係する前頭葉の運動性言語野(ブローカー野)の領域が反応した。解剖学的にサルのミラーニューロンがあった部位に近い。他人がつまむのを見てすぐに自分もつまんだときは、その反応が一層強くなっていた。<

>赤ちゃんは親の身ぶり手ぶりから様々な動作を学び、自分の意思を表現できるようになる。今回の結果は、言語に関係する部位で他人の行動をあたかも自分の行動のように感じ取っていることを示した。<

この記事は、「相手と自分を同一視する機能が共認機能の原点であること(実現論1_4_05)」の有力な傍証です。心の奥底=潜在思念の次元では相手と自分は同一だと認識していることを、ミラーニューロンの機能は示しています。

潜在思念(共認回路)では同一なのに、顕在意識では自分と他者を分け隔てて認識するのは、自我を始めとする近代観念が原因だと考えられます。近代人は潜在思念と顕在意識が分裂しているとも言えます。両者を統合する観念(=社会統合版でも議論されている、誰にも共通する普遍認識)が、潜在思念と顕在意識をつなぐために必要なのだと思います。
 
  List
  この記事は 42794 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_42811
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
健康=元気の素ってなんだろう?その5〜相手と自分を同一視する潜在思念☆+゜〜 「地球と気象・地震を考える」 09/12/25 PM11
222584 構造認識は、「共認」してこそ意味がある 三輪歩未 09/12/24 PM02
222574 自分=みんなは「どうしたい?」って潜在思念に忠実に スガイク 09/12/24 AM11
同じような想いを抱く人の話が、相手の心を開くカギ。 「『なんで屋』で、元気!ヤル気!笑顔 v(^-^)v」 05/05/31 AM03
45751 「自分」と「相手」を隔てるものとは何か? 東努 02/12/15 AM00
44117 ミラーニューロンは本源的な実現回路 橋口健一 02/11/18 PM10
43749 言葉を話すことの原点は相手に対する「評価」、もしくは「応望」 北村浩司 02/11/10 PM11
43573 ことばでなく滲みでてくる 広岡絵美 02/11/07 PM02
43519 赤ちゃんは「自分」を「自分」と認識できるのか?@ 高田康史 02/11/06 PM11
43355 共認機能のハードとソフト 林昭光 02/11/02 PM11
43222 「共認」という認識の役割 森政子 02/10/31 PM02
43163 「共認」という概念を広げたい 田中素 02/10/30 PM10
43029 充足している人に学ぶ、真似る。 久保田彰子 02/10/28 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
人類の進化
ヒトは何種類いたのか? 「異種同時共存説」による人類進化
「アフリカ起源説を補強する新証拠で、窮地に陥った多地域進化説」 @
「アフリカ起源説を補強する新証拠で、窮地に陥った多地域進化説」 A
単一起源か?多地域起源か?(その2)
アニミズム(精霊信仰)について
シャーマニズムと幻覚回路
原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった
共時一体感覚にささえられる文字による共認 2
不安発の古代宗教と感謝・同化の精霊信仰
ネアンデルタール人は「野蛮」だったか?   人類の生活をどう復元するか
スンダランド海洋航海民の誕生
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないか@
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないかA
ポトラッチの実態
捧げものが同類闘争圧力により変質したものがポトラッチ
贈与の意義
採取時代の適応原理
「祭り」の多面性と核心
祭りは共生適応ではなく集団統合(解脱+闘争)共認の場
人類の本性は共同性にある@
人類の本性は共同性にあるA
人類はなぜ大地を耕しはじめたか? 寒冷期と農業の起源
4大文明の多元的・同時発生説
戦争がなくならないのはなんで?:ノート2
原始時代〜部族連合時代〜武力支配時代
武力時代の東洋の共同体質⇒秩序収束⇒規範収束
西洋の自我収束⇒観念収束⇒唯一絶対神信仰
白人の部族移動の歴史
山賊・海賊によってつくられたギリシア・ローマ
戦争の起源
西欧だけが性を罪悪ととらえる文化であるのはなぜかA〜古代ギリシア・ローマに快楽敵視が存在した証拠はない
西欧だけが性を罪悪ととらえる文化であるのはなぜかB〜隠蔽したいローマ帝国崩壊後の空白の200年間

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp