日本を守るのに、右も左もない
4200 ディズニーランドには行かない(1)
 
山澤貴志 ( 36 鹿児島 建築士 ) 01/05/17 AM00 【印刷用へ
物欲という名の神話の終焉後を生きる我々にとって活きたことばを手にすること。そんなテーマで、引き続き、過去投稿をサーフィンしてみた。

>私はここをつい最近訪れ背筋に戦慄が走った。それはこのディズニーランドの恐ろしい風景が、他でもない今現在我々が生きる21世紀前より続く消費社会の縮図である事に思い至ったからだ。
>あらゆる物事を商品化して売買の対象としていく。それが資本主義社会の仕組みの基礎になっている。だからそれまでの売買の対象外にあったモノも、次々に商品になってきた。そのうち、商品になるモノが見当たらなくなってきた。そこで目をつけられたのが人間の能動的能力である。新商品の開発は、これを限りなく削いでいく方向で進んでいる。
 
1371 江岸さん 消費社会と受動社会がつくり出す、矛盾と危険性)

「資本主義は人間の能動的な能力をラストリゾートとして対象化しだした→その最先端がディズニーランド=テーマパークに縮図化されている」とのご指摘、ユニバーサルスタジオばやりの昨今の事情を思い出しつつおもしろく読ませてもらいました。サルの持つブランキエーション=枝渡り能力を喪失し、生活空間を縮小した人類にとって、2足歩行の獲得と、それによる大移動時代の記憶は、もしかすると強い快楽記憶として、脳内の奥底に眠っているのかもしれません。おそらく、旅行(あるいはその疑似体験版としてのテーマパーク)は、異国情緒=未知への憧れだとか、現実逃避願望だとかいう以前の、長い間の移住生活をベースとしてきた我々人類が本質的に、定住生活にどこかそぐわないその抑圧された意識のはけ口という部分があるのかもしれません。

定住化自体、衛生面や安全面の問題は多く、農業革命がなければ、必ずしも望んだ進化ではなかったという指摘が縄文学からは提起されています。特に狩猟を主体にしている男たちにとっては、移動文化=未知への挑戦欠乏がある分、定住革命への抵抗も大きかったといえるでしょう。

つまり、人間の能動能力、とりわけ移動能力に対する欠乏は結構奥深いものがあり、定住文化は必然的に、ストレスを生み出し、何がしかの代償充足装置(ドライブとか旅行とか)を必要とするのでは、というのが私の意見です。

そして、江岸さんのいう「消費社会と受動社会がつくり出す、矛盾と危険性」を克服する術は、定住文化=農耕革命→都市文明という流れ全体を対象化して突破するしかないと思うのです。そしてそのことは、定住・出産=女原理と移動・闘争=男原理をどう調和させるかということでもあるでしょう。そしてそのヒントは唐突かもしれませんが、江戸時代の参勤交代にあるような気がしています。つまり参勤交代は、農村=共同体と都市=超共同体=社会統合を繋ぐシステムとして参考になると同時に、社会統合という先端課題への挑戦を旨とする男原理と安定と定住を望む女原理をうまく繋いだシステムのように思われるのです。

さて、現代版参勤交代システムをイメージしてみましょう。

1.行政及び企業は、都市集中を止めて、地方分権、企業分割を推し進める。
2.その上で、企業の共同体化=経営参加と情報公開を進めて、企業リーダー=地域リーダーとする
3.地域リーダーは、任期交替制とし一定期間、超共同体=社会ネットワークの中枢たる、首都へと移り住み、社会統合を一時的に専任する。
4.ここで官僚化による堕落を防ぐため、任期を定めて、リーダーは帰郷し、改めて自集団の統合を担う。

女原理=安定・定住=共同体と男原理=挑戦・交流=ネットワークを調和させ、同時に現場=共同体と統合=ネットワークの風通しを良くし、ネットワークの官僚組織化・国家機構への堕落を防ぐ名(迷?)案だと思うのですが。
 
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